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侯隆side
橋のすぐそばの日陰の河川敷で昼寝をする夏休み。
俺の夏休みの楽しい毎年の日課だった。
誰にも邪魔されないこの場所でたまに来るヒナからの差し入れを待つだけの日々。
今日も蝉の鳴き声を聞きながら寝ていれば、足音が近づいてきた。
『パピコなら要らんからな』
ヒナだと思い声をかければ腕を強く蹴られる。
『は…何すんねん…って…』
『横山…呑気に昼寝なんて余裕やな』
目を開ければ茶髪パーマから除く黒い瞳が俺を見下ろしていた。
『丸山…』
『お前のAへの愛ってほんまにそんなに軽いもんやったん？』
『何が言いたいねん…』
身体を起こして丸山を睨みつければ、丸山は鞄を下ろして俺の隣に腰を下ろした。
『Aは今もあれからずっとお前のことが好きや』
『Aが…』
『なんども忘れさせようとしてもAの中にはずっとお前がいる。僕が苦しめてしまっていることは分かってる…やから…さっさと奪いに来いや』
俺の胸に1枚のチラシを押し付けると力強く拳を握りしめた。
『勝手にプライベート調べたことは謝る。やけど…やけど！Aをもっと苦しませたら俺がいつでも奪いに行く…！』
『でもなんで花火大会…？』
『別に来たくないんやったら来んでええ。ただ…その日俺はAにちゃんと告白するつもりやから。ほんま…最恐ヤンキーのくせに弱きになりやがって』
丸山は立ち上がるとそんなことを言い残し走り去って行った。
『カッコつけのくせに…いや…ほんまにかっこええよ丸山』
チラシを見つめながらまた寝っ転がると、駆け寄ってきた足音。
『おいおい…今丸山と会ってたんか？！』
『あぁ…』
『なんやまた脅されたんか？』
『ちゃう。これや』
ヒナが持っていた袋からパピコを取り出すと代わりにチラシを渡した。
『花火大会…なんやこれ、どういう意味やねん』
『この日に丸山は告白するんやって』
『は？宣戦布告ってやつか？！』
『やから告白する前に奪いに来いって言いに来たんや。丸山の覚悟や』
『奪いにって…ヨコに譲るってことか…』
パピコを咥えると俺は立ち上がった。
『俺…ちゃんと話すわ。全部』
『そうか、大丈夫やAちゃんなら分かってくれるはずや』
俺はそれでも最後まで悩んでいた。
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夜(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。ワクワクしてもらえて何よりです、！お楽しみください。 (2022年1月29日 15時) (
レス) id: 21360e0486 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。更新を楽しみに読ませてもらってます！次はどんな展開になるだろう…とワクワクしちゃってます。 (2022年1月28日 20時) (レス) @page7 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作成日時：2022年1月18日 12時
