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〔侯隆…〕
『しつこいねん…』
俺の学校を突き止め、帰り道に麗奈は俺に毎日のように押しかけてくるようになった。
〔どうして私以外と遊ぶの?〕
『めんどくさいねんお前』
〔面倒くさい…?〕
『俺は…麗奈とはもう遊ばへん』
そう言いきって縁を切ったつもりやった。
なのに…高二の冬。
麗奈は俺の住むアパートの部屋の前に居た。
〔高校生なのに一人暮らし?貧乏ってそういうこと?ねぇ侯隆…ほらお金あるからまた遊ぼ?〕
『もう諦めたんちゃうんか…』
〔私やっぱり侯隆しかいないの…!〕
『帰れ…二度と来んな』
俺はそのまま追い返すだけのつもりだった。
なのにこの女は…
〈侯隆…どうしたの?〉
〔女…?〕
部屋のドアを開けて出てきた姉の横子を麗奈は彼女だと勘違いした。
〔彼女がいたなんて聞いてない…〕
『こいつは彼女やない、俺の…』
その時麗奈は姉に掴みかかった。
〈何するのよ…!〉
俺は咄嗟に姉を助けようと割り込んだが、中々離れない麗奈を俺は強く殴ってしまった。
勢いよく倒れ込んだ麗奈は動かなくなった。
『っ…』
〈救急車…!〉
気を失っていただけで俺の暴行も正当防衛として警察から解放された。
『ごめん姉貴…』
〈あなたは何も悪くないでしょう?でも…そんな危険なバイトは辞めなさい〉
『でも借金だって返せるように…』
〈侯隆は高校生を楽しみなさい〉
姉は俺に苦しんでる姿を見せたことがなかった。
そんな姉を俺は少しでも助けたかった。
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夜(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。ワクワクしてもらえて何よりです、!お楽しみください。 (2022年1月29日 15時) (レス) id: 21360e0486 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。更新を楽しみに読ませてもらってます!次はどんな展開になるだろう…とワクワクしちゃってます。 (2022年1月28日 20時) (レス) @page7 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜 | 作成日時:2022年1月18日 12時