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陽が傾き始めた海岸で足を拭くとサンダルを履いてきみくんに後ろから抱きついた。
「本当にありがとう」
『A』
振り向いたきみくんに名前を呼ばれ手を離すと、近づいてきた顔と唇に感じた柔らかい感触。
一瞬の出来事に目を開けたまま固まっていると、額を指で押された。
『おい、大丈夫かよ』
「い…今のって…キス…だよね！？」
『初めてやったんやろ？悪いけど貰ったわ』
きみくんと整理がつかないままバイクの方へと戻っていくとヘルメットを渡された。
『お前がそんなに照れとると俺まで照れてくんねんけど』
「だって…すごいドキドキしてるんだもん」
『何？おかわりか？』
「ち…違う！」
『冗談や笑はよ乗り』
きみくんの耳も赤く染まっていた。
どことなく体温が高い背中にしがみつくとバイクは元来た道を戻って行った。
見慣れた住宅街までくると、私の家が見えてくる。
夕陽に照らされた私の家の前に1人の男性が座り込んでいた。
きみくんのバイクが目の前で止まると、見たことのある茶髪頭が顔を上げた。
「隆平！？」
『おかえり…A』
「ど、どうしてここに？」
『メールしたやろ？待ってるって。既読つかへんかったけど』
バイクから降りてヘルメットを取ると力強く腕を掴まれた。
『勉強しよ？』
「うん…きみくん今日はありがと！」
『かっこつけの次は待ち伏せかよ…ほんま気味悪いな』
きみくんはバイクに跨ったまま隆平に冷たく言い捨てると、隆平は口角を上げて薄気味悪く微笑んだ。
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夜(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。ワクワクしてもらえて何よりです、！お楽しみください。 (2022年1月29日 15時) (
レス) id: 21360e0486 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。更新を楽しみに読ませてもらってます！次はどんな展開になるだろう…とワクワクしちゃってます。 (2022年1月28日 20時) (レス) @page7 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作成日時：2022年1月18日 12時
