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『A…もっと楽しいこと教えてやろうか？』
「何？知りたい…！」
勢い良く立ち上がると、腕を掴まれ図書室から飛び出した。
静かな廊下を走り階段を駆け上がると鍵が壊された屋上の扉を開けて、眩しい太陽の下広い屋上に出た。
「うわぁ…凄い高い！」
フェンスまで駆け寄ると誰も居ない校庭を見下ろした。
「風が気持ちいい〜」
はしゃぐ私を見ながら近づいてきた横山さんはベンチに腰掛けると、そのまま横たわり目を閉じる。
「横山さんはどうしてサボるの？ヤンキーだから？」
フェンスに寄りかかったまま横山さんに問いかけると、目を閉じたまま横山さんは答えた。
『勉強する意味があらへんからや』
「どうして？勉強しないと決められた仕事できなくなっちゃうよ…？」
『お前は楽しいん？そんな決められた人生』
そこまで言うと薄目を開けて私の方へと視線を向けた。
「楽しい……」
小さい頃から両親のような立派な医者になることが私の生きる理由だった。
別に医療に興味があったわけではないけど、それが……
「私の人生だもん、楽しいよ？」
『勉強に捧げる人生がか？親の言いなりなんて…ほんまの阿呆が送る人生やで』
「だって…それしか分からないから…」
『なぁA、俺はお前になんでも教えたる。いや…教えたいねん』
横山さんは体を起こすと手を伸ばしてきた。
『俺はお前に優しさを教えてもらった。やから今度は俺にお返しさせてくれへん？』
日に照らされ綺麗に輝く金髪を靡かせた横山さんの手を取ると、体が吸い込まれるように横山さんの胸の中に収まった。
『屋上での昼寝は最高やで』
目のクマを隠すように塗っていたファンデーションを親指で取られると、横山さんの膝の上で身を任し私はゆっくりと瞳を閉じた。
机の上よりもベットの中よりも暖かく優しい胸の中で私は時を忘れ熟睡してしまった。
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夜(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。ワクワクしてもらえて何よりです、！お楽しみください。 (2022年1月29日 15時) (
レス) id: 21360e0486 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。更新を楽しみに読ませてもらってます！次はどんな展開になるだろう…とワクワクしちゃってます。 (2022年1月28日 20時) (レス) @page7 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜 | 作成日時：2022年1月18日 12時
