01 ページ1
〔じゃあ次は…〕
高校デビューを果たしたこの春。
周りはどうなのか分からないけれど、少なくとも私は何も変わる気配がなかった。
「お腹すいたなぁ…」
『いやそれな？』
「早弁常習犯が何言ってんの？」
『まだ食ってへん』
幼馴染の隆平も相変わらず隣の席で静かに菓子パンの封を切ろうとしていた。
高校生になってもやることは同じ、勉学に励むこと。
『なぁまだぁ？』
「ない…ここの図書室医療に関する本が少なすぎる！」
『あらま…どうするん？』
「先生！医療の本って…」
〔ここの以外なら…2号棟だね〕
先生は残念だけど諦めなと去っていく。
「よし…行ってくる」
『は？あかんて、最恐ヤンキーがおるんやで？！』
「会わなきゃいいだけでしょ？見つけたらすぐに戻ってくるから！」
私は隆平の静止を振り切ると、2号棟への渡り廊下を抜け2号棟に足を踏み入れた。
今は授業中きっと会わないはずと心に言い聞かせると、私は足早に図書室に向かった。
壁やドアが落書きだらけの図書室に着くと、私はゆっくりとドアを開けた。
窓が空いているのか気持ちのいい風が私の髪を靡かせる。
「医療系は…」
本を探していくと、ふと目に入ってくる日に照らされ眩しく輝く金色の髪の毛。
「あれって…まさか…」
隆平から教えてもらった危険人物と思われるヤンキーを見つけてしまった。
私はバレないように慎重に歩きながら本を探していく。
「あった…！」
手を伸ばし本を取ろうとしたとき、本棚が怪しく揺れた。
「嘘…やばい…！」
バランスを崩し本棚と共に倒れると思い目を瞑った瞬間、背中に感じた腕の感覚と本が地面に落ちていく音。
しかし、私の体に痛みは感じられない。
ゆっくり目を開けると金髪頭の後ろに倒れ込む本棚の姿。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。ワクワクしてもらえて何よりです、！お楽しみください。 (2022年1月29日 15時) (
レス) id: 21360e0486 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。更新を楽しみに読ませてもらってます！次はどんな展開になるだろう…とワクワクしちゃってます。 (2022年1月28日 20時) (レス) @page7 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜 | 作成日時：2022年1月18日 12時
