愛されメイドの備忘録 (ページ11)

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『その姿で出ていく気？メイドは大倉のモノなん？』

「そういう訳じゃ…」

『今すぐ脱ぐか…汚されるか…どっちがええ？』

徐々に握る力が強まり安田さんの持っていた筆が近づいてくる。

「ぬ…脱ぎます！」

『じゃあ脱いで。俺の着てや』

安田さんは自分で色染めしたのか、お洒落なパーカを私に手渡した。

渋々パーカーを脱ぐと安田さんのパーカーに着替える。

『ほんま大胆というか…危機感あらへんよな』

「そんなじっと見ないでくださいよ…」

『白よりも綺麗で透き通った肌見ないわけがないやろ』

私の頬を手の甲で撫でると、もう片方の手が私の太腿に添えられた。

「っ…」

『汚したくなる。もっと自分の色に染めたくなる』

小さく低い声で呟いた安田さんは私の髪を耳にかけると、ゆっくり顔を耳に近づけた。

「や…安田さん…」

『俺らは全員Aの為になら命も惜しまない…』

吐息がかかり身を縮めると耳たぶに走った鋭い痛み。

「いっ…！」

咄嗟に安田さんを離すと不敵に微笑んでサングラスを直しながら顔を上げた。

『いつでも洗って綺麗にしたるで…』

「し…失礼します！」

私はどこか楽しそうに微笑む安田さんから逃げるように部屋を飛び出した。