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「嫉妬…村上さんもするんですね」
『当たり前やろ。好きな女が違う男に抱かれたんやぞ？嫉妬でおかしくなりそうやわ』
早歩きして連れて行かれたのは使用人専用のお風呂ではなく主達が入っている大きなお風呂。
「私は…使用人です」
『ええからはよせえ』
私を下ろすと村上さんは躊躇いなく服を脱ぎ捨てていく。
「さ…先入って下さい…！」
『横山の裸見たくせに俺のはあかんのか？』
「そ…そんな見てません…！」
『分かったから…はよ入って来いや』
村上さんがドアを開けて中に入っていけば、私も服を脱いでいく。
バスタオルを巻いて中に入ると、先に湯船に浸かっていた村上さんを横目に椅子に座った。見られない角度に座るとバスタオルを取って全身を洗っていく。
そしてバスタオルを巻き直すと離れたところから湯船に入った。
『こっちや』
手招きされ近づくと村上さんの足の間に座らせられた。
「む…村上さん…これ恥ずかしいです…」
『そうか』
村上さんはバスタオルの結び目をいとも簡単に解くと、露わになった私の身体を後ろから抱きしめた。
「ちょ…っと…」
『なんや？横山に触れられたんやろ？』
「その触り方…っ…村上さん…」
お腹から太ももに手が這わされ、首筋に感じる村上さんの吐息が擽ったい。
『A…こっち向いてくれ』
濡れた髪の毛が妖艶に輝く村上さんに視線を合わせると唇が重なる。
水が滴る音をかき消すようにリップ音が響く。
時々重なるお互いの吐息と村上さんの野生の雄のような力強い瞳に私は抵抗なんて出来ない。
ただ口付けにしばらく応じていれば湯船から出された。
『赤いな…のぼせてもうたか？』
「いえ……」
私の髪の毛を撫でる村上さんは深く深呼吸をすると、私を離させた。
『先に出ろ…俺はもう少し反省してから出る』
私を外に出して湯船に戻っていく村上さんの後ろ姿を私はただ見つめることしか出来なかった。
部屋着に着替えて私は自分の部屋へと戻っていく。部屋のタンスの棚の1つを開けると村上さんから貰ったものが沢山詰まっていた。
「村上さん…」
私はブランケットを手に取るとベットに横たわる。
「私の喜ぶ顔が見たいからですよね…」
村上さんはいつも何かしらくれて…私の事が好きだからと甘やかしてくれる。
そんな優しい人があんなにも荒れて怖くなってしまうなんて…。
「ごめんなさい…村上さん」
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作者名：夜 | 作成日時：2021年11月10日 20時
