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『ほら…安田さんの命令には従うんやろ!?』
「許してください…お願いします…」
『なぁ…俺のAは安田さんなんて呼ばへんし何もかも言うことを聞く聞き分けのいい子やねん。
なのに…今目の前に居るお前は誰や!Aの姿をして…偽物が俺に逆らうなや!』
「章大…って呼びますから…私…何でもしますから、でも絵の具は飲めません…!」
コップを机に置くと、青色に染まった私は立ち上がり安田さんの目の前に立った。
「絵の具を飲むこと以外なら何でもします」
『阿呆やなぁ…ほんまにメイドは!笑』
私の首を片手で掴むと安田さんは高らかに笑いだした。
『そう言うと思ったんや…俺に嫌われへんようにするために言うことを聞くって…!笑』
「っ…!?」
『何でもする…しゃあ…縛られて?』
椅子に押し飛ばされると安田さんはベッドの下から金属音をたてながら鎖を取り出した。
『じっとしとればええからね?お前は本物のAやねんやろ?』
「はい…」
身体中に巻かれ始める鎖。
完全に身動きが取れなくなればネクタイが私の目を塞いだ。
『ええよええよ……綺麗やで!?』
笑いながら何やら作業を始めた安田さん。
私はただ言われた通りに黙ってじっとしていた。
青い絵の具の冷たさが身体中に伝わり、口の中に広がる絵の具の味が未だに残り続ける。
『Aちゃんはさ…俺らに愛されて幸せ?』
「もちろんです…」
『な〜んか言わせてる感あるけど、まぁええわ。
幸せやなくても俺らは愛するだけやからさ』
足音が近づいてくると液体が垂れる音と共に私の頬に触れた冷たい手の感触。
『お風呂入らないと取れなくなっちゃうね』
解かれる鎖とネクタイ。
眩しい部屋の中で安田さんは自分の汚れたパーカーを差し出した。
『俺は最後の仕上げを描くから…綺麗な肌に戻してきな?まだメイドは俺だけのものになってないからさ…ずっとは駄目なんやってさぁ…』
安田さんは楽しそうにキャンバスを持って私から離れていった。
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作者名:夜 | 作成日時:2022年2月8日 22時