✿✿ ページ17
『メイドちゃ〜ん！』
「ま…丸山くん！？」
『お手伝いなら僕もやる〜！』
「分かったから離れて…」
力強くメイドちゃんを抱きしめると香ってきた石鹸のいい香り。
『相変わらず丸のセンサー凄いな』
『メイドちゃんがいる場所なんてすぐに分かっちゃうんだからねぇ〜』
「怖いこと言うのはやめてってば笑」
そう言って笑いながら離れていくメイドちゃんに僕らはそっと笑みを浮かべた。
まだ…いやこれからもきっとバレることはない完全犯罪。
『可愛ええよねぇ』
『結構分かりやすいと思うけどな…』
『それなのに気づかへんのが可愛ええやんかぁ…』
これからも僕らがずっと見ててあげるから。
『メイドちゃ〜ん！』
「はいはい…なーに？」
『じゃーん！お肌に嬉しい成分が配合されてる入浴剤〜！』
「え…くれるの？」
『もちろん！最近入浴剤にハマってるやろ？やから調べて取寄せしてもうた〜』
「嬉しいんだけど…」
『ん？』
「私そのこと丸山くんに言ったっけ？」
『ん〜言った！』
「そっか…うん！ありがとう、凄い嬉しい！」
たまに危ない時もあるんやけど…まぁバレへんねんなぁ。
僕らはメイドちゃんのためになら何でもするから。
だって…好きやねんもん。
”
僕らの邪魔をした人間たちがどうなってるのかを僕は知ってる。
面倒ごとを全部後始末してくれるこの屋敷のお掃除屋さん。
ほんまはやりたくないらしいけどある人の為に頑張ってるんだって。
屋敷のそばにある寒くて真っ暗な倉庫に連れてかれて死ぬことよりも辛い目に遭わされる。
その噂が流れ、使用人達はこの屋敷で1番彼を恐れている。
確かにあのふとした時の真っ黒な瞳は怖いよねぇ…。
まぁ僕は彼よりも、怖いあの人に睨まれると蛇に睨まれた蛙みたいになってまうんやけどね笑
ﾀﾞｲﾀﾞｲｲﾛﾊｽﾞｯﾄｿﾊﾞﾆ
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作者名：夜 | 作成日時：2022年2月8日 22時
