落し物は命でした (ページ5)

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＿＿＿紫耀side

美味しい、と笑顔を見せながら食べてくれた。

まぁ冷凍やったけど喜んでくれたなら

俺はそれでいいかな？

紫耀「里奈、お風呂入る？」

俺がそう叫んで聞くと

リビングで大きく頷くその姿が可愛くて。

「ねぇ、にーに？」

紫耀「ん？」

「にーにはアイドルなの？」

紫耀「そうやで～。アイドルやで～。」

里奈をお風呂に入れながらそんな話をする。

…これ、犯罪にならへんやんな？

…ちゃんと大丈夫やんな？

「あ、にーにまたこわい。」

紫耀「あー、ごめんごめん。」

しばらくは里奈で癒されることが出来そうやな。

俺は里奈がリビングで遊んでる間

家事をしていた。

そんな時、ふと思ったこと。

俺が家おらん間里奈はどうしよ。

紫耀「なぁ、里奈。」

「んぅ？なに？」

そう思って聞いてみる。

紫耀「俺が仕事の時。家にいるか、

保育園行くか、仕事についてくるか、

どれがいい？」

「にーにと、いっしょがいい…。

けど…じゃまになる。」

なんて寂しそうに抱き付いてくるから

可愛すぎて…

紫耀「ならへんよ。」

そう言ってぎこちなく頭を撫でると

小さく頷いた。

…なんでこんな可愛いん？

こんな可愛い子、放っとけんやんか！

仕方ないか…ダンサーさんにお願いして

一緒におってもいいか聞こ。

にしても、美優…どこ行ったんやろなぁ…

ベランダの柵に手をかけて

寒い風のなか火照った体を冷やすように

缶ビールを一口喉に流し込む。

おっさんって美優に言われたな。

なんて思い出に浸っていると

窓が開いて小さくて可愛い声がした。

「きゃはは！しょうおじちゃんだっ！」

紫耀「失礼な！まだ２０歳やわ！」

５歳児にこんなツッコミ通じるか！

美優とおんなじ反応やし。

てか、なんで俺の事にーにって呼んでるんやろ？

紫耀「里奈、俺の事なんでにーにって呼ぶん？」

「え？ねーねの好きな人だから。

だめならしょうにぃってよぶ。」

紫耀「そっか。好きなように呼んでええよ。」

「わかった！いろんなよびかたする！」

…あ、俺ジャニーズやのに

里奈より上手く笑えてへんかも。