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(水瀬)
「では、いよいよお披露目です。スナイプ。」
手際よく処置を進める高階先生を向かい側から佐伯先生と黙って見つめていた。
ここまで私と佐伯先生は一切手を出していない。きっとこの後もこの器具であっさり手術を終わらせてしまうんだろう。
《黒崎です。手術を一旦止めていただけないでしょうか？》
「どういう事だ？」
カテーテルが心尖部に入り、左心室を通って僧帽弁に到達する直前、スピーカーから黒崎先生の声が流れた。すかさず佐伯先生がその言葉に応える。
新たに送られてきたスナイプの資料に、非公表の事故例があるとのことだった。その資料が手術室の佐伯先生の元へも届く。
『患者や私達に意図的に報告しなかったんですか？』
「確かに事故の症例はあります。よく調べたものだ。誰がその情報を？」
高階先生の言葉の後にタイミング良く手術室のドアが開く音が聞こえた。そこには渡海と彼を探しに行っていた世良君の姿があった。
「遅れました、申し訳ありません。」
「成程、貴方の仕業か。」
「その患者こっちが引き継ぐ。お前そのオモチャ持ってもう出てけ。」
「この患者はもう体力が無い。ここで止めれば死にますよ？」
「教授とAと俺でオペを引き継ぐ。だからまだ間に合うんだよ。」
『やった！私もいいの？』
突如出てきた自分の名前に嬉しさを隠せず高い声色で言葉を紡ぐと隣に立っていた佐伯先生に鼻で笑われた。
「まさか今から佐伯式を？スナイプの方が安全だ。」
「それ、人殺してんだろ？」
渡海が高階先生の向かいに立ち、キッと睨みつける。
「この手術の先には何千人何万人の未来がある。」
「未来の話なんかしてねぇ、俺は今の話をしてるんだよ！」
渡海が声を張り上げる。
それでも高階先生は引き下がらなかった。
「手術を続けろ。スナイプを使え。」
痺れを切らした佐伯先生が割って入って続行を促した。それに対して渡海はあからさまに納得のいかない表情を浮かべた。
「渡海、主治医は高階先生だ。全ての責任は私が取る。」
その言葉を皮切りに手術は再開され、スナイプによる僧帽弁手術は何事もなく終わった。
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ふみ(プロフ) - 面白かったです！第2話も楽しみにしてます！ (2018年4月28日 11時) (
レス) id: 26dbac27a1 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 瑠架さん» よろしければ、ブラックペアン好きの人集まれ〜っていうブラックペアン好きの人で、語り合うものに、参加してくれませんか？よろしければで、結構なんですけど… (2018年4月27日 17時) (レス) id: 3b4af15f43 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 面白いです！続きが、気になります！！更新大変だと思いますが、頑張ってください！！応援してます！ (2018年4月26日 22時) (レス) id: 3b4af15f43 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年4月24日 22時) (レス) id: e4c62973b8 (このIDを非表示/違反報告)
LOVEPEACE24(プロフ) - いえ！更新、楽しみにしています (2018年4月24日 12時) (レス) id: 559ce0551a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠架 | 作成日時：2018年4月23日 20時
