やめてください、ジャンハオ先生！

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” …わっ、”


” …うわっ、ビックリした…”




顔を手で覆って指と指の隙間から映画を見ながら


時折小さく声を上げるハンビンくん。






塩とキャラメルのハーフのポップコーン。


2人の席の間に置いているから、

たまに同時に取ろうとして手が触れる。




安全そうなシーンになった時にハンビンくんは


顔の前に置いていた手をポップコーンへと伸ばす。




だけどその瞬間

大きな音と共にピエロが出てきた。




完全に油断していたからなのか


驚きでハンビンくんの足がポップコーンに当たって


ポップコーンがこぼれ落ちそうになる。





「…ふふっ、危ないよ笑」



『…ごめんごめん笑

いきなり出てくるからビックリしちゃったよ笑』




なんてはにかむハンビンくんは

映画館という割と暗い空間でも眩しかった。







･



映画も見終わり、

ハンビンくんは家まで送ってくれる。






「…今日、すごく楽しかった

怖がってるハンビンくん…可愛かったな笑」



『…もー、からかわないでよAちゃん…笑』



「…ごめんごめん笑

でも、ハンビンくんのお陰で模試の疲れも吹っ飛んだよ」



『ほんと？それなら…良かった』





家の前で話してたら




『あ、ヌナ！』





部活が終わって帰ってきたであろうギュビナが

向こうから歩いてくる。




ハンビンくんはギュビナを見てきょとんとしているから



「…あ、ハンビンくん

私の弟のギュビンです」



そう紹介すると


『Aちゃん、弟居たんだね！

ギュビンくん、僕の名前はソンハンビンって言うんだ』



ハンビンくんは礼儀正しく自己紹介をしてくれた。




” ほら、ギュビナも ”


そう私が腕でギュビナをつつく。





『…あ、ヌナの弟のキムギュビンです』


なんて少し素っ気なく挨拶したギュビン。




『じゃあ、Aちゃんまたね

ギュビンくんもまた会えたら是非話そうね』



そう言って来た道を戻るハンビンくん。





私の横では



『ヌナ…今の人、めっちゃイケメンだったね』


なんて感動したように声を上げるギュビナが居て、




「今の人…じゃなくてハンビンくんね」



『ヌナ、好きなの？あの人のこと』



「…ギュビナ、うるさい早く家入るよ」




”あ〜！話逸らした！ ”



なんて言ってるギュビナは家入れてやんない。


悪戯で鍵を閉めたら




『ヌナ〜！もうごめんって！鍵開けてー！』




外から元気な声がするから思わず笑みがこぼれた。

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