Cineraria (ページ3)

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スターレベルテスト-02 ページ3

Side.G-WZH

僕とWAKEONE練習生の間にあった空席に座るAさん。
僕と似たような衣装(と言っても彼女の方が女性らしい衣装だけど)で気になってチラチラと見てしまう。

A「あ、初めまして…Aです。うるさかったですよね、ごめんなさい。えーっと、ワン…ズ…？」
ズハオ「あ、ワン・ツーハオです。ズハオで大丈夫です…いや！そうじゃなくて…」

ハルト「二人の衣装なんか似てるね」
A「あ、確かに…」
ミン「あ！だからAのこと見てたんだ！」
ズハオ「あ〜ごめんなさい」

気分を悪くしてしまっただろうか、そう思い謝ると彼女は気にしないでください、と笑顔で言ってくれた。

A「あの、何年生まれですか？」
ズハオ「01です、2001年の3月生まれ」
A「え！私も2001年の2月生まれで…差し支えなければタメで気軽に話してください」

ズハオ「え、年下かと…」

ハルト「ヌナ子供っぽいって」
A「うるさいよハルト」
ズハオ「あはは、仲良いね二人」

まるで本当の姉弟のようにずーっと話しているハルトとA。
聞けばAもハルトもソ芸の実用舞踊科出身らしく(Aはハルトの入学前に卒業したけど)境遇も少し似ているんだとか。

もっと詳しく聞きたい所だが、どんどんと練習生が入場していく中、僕たち3人だけで話し続けるわけにもいかず…Aは、後で分かるよ、と言って微笑んだ。
その微笑みが少し意地悪に感じてドキッとしてしまったのは僕だけの秘密だ。

―――――

ハルト「僕たち行ってくるね」
A「WAKEONE！ファイティン！」
ズハオ「ファイティン〜！Aは同じ事務所なのに呼ばれないんだね」
A「ね〜まだみたい。早く終わらせたいよ〜」

全ての練習生、マスターの先生が集まり、ついに始まったスターレベルテスト。

GグループWAKEONEのハルト達は出番が早いようですぐに呼ばれて行った。
Aは同事務所だけどまだ呼ばれないみたいで、口をへの字に歪めて早く終わらせたいと拗ねている。

あのトンネルを抜けてきた時はすごくクールで冷たい印象を受けたのだが、少し話して打ち解けてみると、よく笑うし割とよく話す子なんだという印象を受けた。

本人は、緊張すると表情が強張ってしまうと言っていたので、この会場に入ってきた時も緊張していたのだなと勝手に納得した。