No,４ ページ4
『...若。』
治「帰ったか。ほら壊理。」
綺麗にされたのか、そのまま小さな子を私に渡してくる。
私の腕の中で震えている子。
本当に哀れだ。
でも、こんなことを考えてしまう。
こんな子いなければ、廻が狂うこともなかったのに、と。
組長が倒れることもなかった。
この子の個性が暴走したせいで、何人も死んだ。
あぁ醜い子。
汚い姿はまるでシンデレラ。
若と私と針は意地悪な母親と姉たちかしら。
『お昼寝しましょうね、壊理。』
暗い実験室から出ようとする。
が、肩に手が乗っかり止められた。
振り返ると、廻がマスクを外して私を見ていた。
治「...廻。そう呼べといったはずだが。」
『ごめんなさい、でも私がそう呼ぶのはおこがましいわ。』
治「俺がいいと言っている。いいな？」
これ以上言い返すとバラされてしまいそうだ。
これさえなければ、いいのだが。
まだ死にたくない。
私は笑った。
『わかったわよ廻。そうそう、退学はもうちょっと待っててね。』
あぁ、と返される。
私は一刻も早くここを出たかった。
腕の中の子供を置きたかったから。
少し礼をしてさっさと部屋を出た。
続く (更新停止中)
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桜 - めちゃくちゃタイプです！！更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2020年4月12日 17時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
律 - とっても面白いです！！更新頑張ってください！ (2020年3月27日 17時) (レス) id: bfc3e39400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：熊坂 | 作成日時：2020年3月17日 14時
