No,1 ページ1
一通のメールから、すべてが始まった。
“敵連合と手を結ぶ。暫く休学し、壊理を見張れ。”
きてしまったと思った。
なかなかに楽しかったこの時この場所を手放さなければいけない。
リューキュウ事務所にも連絡入れなきゃ。
この学校ともお別れだ。
無個性なのに、鍛えてくれたこの学校とも。
2年半過ごした雄英高校。
ミリオや環、ねじれにももうすぐ会えなくなる。
明日、1年生と会ったらもう来れない。
若は気を使って休学と言ってくれたのだろうか。
でもこれはきっと、退学と同意義だろう。
例の作戦を決行すれば、私はもう雄英から追われる悪役となるのだから。
呆然とした様子に、周りは声をかけてくれたが返す気分に離れなかった。
放課後だったため、もう帰るねと言って職員室に向かう。
きっと、早い方がいい。
担任に伝えなくては。
『失礼します、3年A組の神崎紅利です。スナイプ先生はいらっしゃいますか？』
スナイプ「あぁいるよ、おいで。」
いないでほしかったなんて言えない。
もう少し、伸ばせると思ったから。
でも、若の命令は絶対だからなぁ。
心中で苦笑いしながら近づいていく。
『急にすいません。』
スナイプ「いや、大丈夫だよ。どうしたんだい？体育館とかの使用許可？」
そうにこやかに言ってくれている先生に、私は今から爆弾を落とすのだ。
熱心だね、と言ってくれているセメントス先生や13号先生。
青春ねー、と楽しそうにしているミッドナイト先生。
ごめんね、先生たち。
私は、ヒーローになれないんだ。
『自主退学の申請をしたいのですが、どうすればいいでしょうか。』
少しにぎやかだった職員室が、冷たい空気に変わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜 - めちゃくちゃタイプです！！更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2020年4月12日 17時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
律 - とっても面白いです！！更新頑張ってください！ (2020年3月27日 17時) (レス) id: bfc3e39400 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：熊坂 | 作成日時：2020年3月17日 14時
