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コタくんから1人分ほど開けて座る…が。
「え?」
炬「いや、この距離がもう、ちょっと…」
私とコタくんの間にギュウっとおさまった天はコタくんの言葉に違いますか?なんて言って動く。
「え、ちょっと!何やってんの?!」
コタくんのあぐらの上に跨る天。ここがコタくんのお家でよかった。外だったら何言われてるか…。
炬「じゃなくて!向き替えてどうすんだよ!近い!近すぎる。ふざけてんのか?」
天「ふざけてないです!ごめんなさい!」
なんとも気まずい雰囲気の中、誰かのスマホが着信を知らせる。とりあえず私ではない。
炬「っ?!あっはは…元カノしつけーなあ!きっぱり別れたのに何なんだろうな?しょうがねぇなあ。」
白々しく大声で言うコタくん。元カノいたんだ…びっくり。
炬「もしもし…?」
先程の威勢はどこに行ったのかとても小さな声で応答するコタくん。何かあったのだろうか。
炬「俺たちもう別れたんだからあ!」
復縁を迫る電話?チラチラとこちらの様子を伺うコタくん。なんか怪しい。しかしながら俺の気持ちは、なんて話しているから本当にそうなのかも。
炬「わかったよ行くよ今からぁ…」
そう言って電話を切ったコタくん。何故か緊張気味にこちらを見てくる。
炬「…俺に会いたがってる。」
天「行くんですか?」
炬「行くわけねぇだろ!」
コタくんはそう言って再びこたつに入ってしまう。せっかくの元カノさんからの電話なのに…。
「え?!行かないの?なんで?」
天「いいんですか?またかかってくるんじゃないんですか?さっきもかかって来てましたよ。」
天の声に驚いた様子のコタくんは飛び起きてえ?とか聞き返す。
天「元カノって"みおさん"っていうんでしょ?画面に"みお"って名前が。」
炬「見たのか?!」
天「見る気はなかったんですけど見えるじゃないですか。メッセージも来てましたよ。返してって。」
「返して?」
天「うん。返して、返して、返せ、返せ、5万円!…5万円も借りたんですか?」
復縁ではなく催促の電話。これは…なんというか、元カノさんに同情する。
炬「んだよ見るなよ、見たのかよー!」
「ちゃんと返したほうが良いよコタくん!」
炬「だってぇ…」
天「何泳いでるんですか!」
座椅子に向けてクロールをするコタくんは海の底に沈んでしまいたいなんて変なことを言っている。
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はんぺん(プロフ) - えりさん» ありがとうございます!嫌な予感がして更新止めてたのですが大的中で元ネコが現れ(次週)どうしようかと…どうにかがんばります! (2023年2月28日 7時) (レス) @page17 id: 51fb906a7a (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - すごく大好きな作品です!!無理のない作者様のペースで頑張ってください! (2023年2月21日 1時) (レス) id: 0680202c8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はんぺん | 作成日時:2023年1月24日 12時