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天「名前ちゃんはずっとコタくんの宝物だよ。僕も、君のことだーいすき！」
そう言ってにっこり笑う天。
「…？！」
どきりと跳ねる心臓。
なんだこれ、猫だった時もニンゲンの20年間も一度も味わったことない痛み。病気？！
「う、うるさいっ！気が向いたら言うから絶対言わないで！」
頭に乗せられた天の手を軽く振り払い、コタくんが散らかしたお酒の空き缶を集め台所に向かう。
「なん、なの…」
カァっと火照る頬に手を当てる。幾分か自分の手は冷たくて心地よい。
天はあの頃もそうだった。「1番コタくんに気に入られてること」を知っているかのようにいつも余裕があって。
私が天にむかついておもちゃを隠した時も、ふわふわのしっぽをちょっと噛んでやった時も天は1度も怒らなかった。
反対にその様子を見て「こら！」なんて怒ったコタくんの前に出て私を隠して怒られないようにしてた。
その余裕が、コタくんと似てるヒーローのようなところが、全部大っ嫌いだった。
大っ嫌いだったはずなのに、なのに…。
"僕も、君のことだーいすき！"
「？！？！」
ありえない、ありえない。
「す、き…？」
炬「え？なに？」
「うわっ！コタくんいつから？！」
炬「え、今。てかお前顔真っ赤だけど大丈夫？俺の酒飲んだ？」
「飲んでない。…帰る！」
炬「おい、遅いし送るから玄関で待ってろ！」
「いい！大丈夫！1人で帰る！」
居間においていた荷物を掴み取り玄関に向かう。
天「待って！」
天の声に再び跳ねる胸。鎮まれ、鎮まれ。
天「寒いから、これ。」
「え、いい。」
天「だめ。風邪ひいちゃうから。」
ふわりと巻かれたのは真っ黒な私の服と真反対の真っ白なマフラー。
あの頃の天と同じ、おひさまのような香りが鼻をくすぐる。天に包まれてるみたいでなんだか…
「〜〜っ！」
天「え！名前ちゃん顔真っ赤！お熱ある？！」
「、だいじょうぶ！これ借ります！じゃあね！！」
玄関のドアをピシャリと閉め家へ足を進める。呼吸するたびに鼻を掠める天の香りにくらくらする。
マタタビを食らった猫のようだ。
本当にしっかりしろ私！！！！
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はんぺん(プロフ) - えりさん» ありがとうございます！嫌な予感がして更新止めてたのですが大的中で元ネコが現れ(次週)どうしようかと…どうにかがんばります！ (2023年2月28日 7時) (
レス) @page17 id: 51fb906a7a (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - すごく大好きな作品です！！無理のない作者様のペースで頑張ってください！ (2023年2月21日 1時) (レス) id: 0680202c8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はんぺん | 作成日時：2023年1月24日 12時
