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炬「カラオケは苦手だったけどこんな素晴らしいものはないと思ったね！彼女ができたー！俺にも彼女ができたー！その日がここだとすると後こうよ。ずっとこうよ！」
コタくんは自分の目線の高さに持ってきた手をとにかく下げていく。つまり幸せじゃなかったってこと。
炬「つらくてさ、一緒にいてもつらくて…いや一緒にいるからつらくて。だって何話していいかわかんねぇ。無いんだ何も。彼女が、女の子がキラキラ目を輝かせて聞く話って何？無いんだよ俺には。」
けど頑張んなきゃ、何話そうって思い続けて、空回りして…
炬「カラオケ行ったり映画行ったり…水族館にも行ったし、遊園地とかゲーセンにも行った。日帰りで温泉地にも行ってみた。何かに頼らないと時間を埋められなかった。どう過ごすのが正解なのか、彼女と会うたびに考えて…会えば会うほどどんどん息苦しく、しんどくなってきて。一緒に過ごす5分が5時間くらいに思う時もあったりして…」
"俺どこで間違ったんだろう"
私のヒーローのコタくんはその時、なんだかとても小さく見えた。
大事にしたかった、めちゃくちゃ嬉しかったのに…そう呟くコタくんに再び元カノさんから着信が入る。
「…でないの？」
炬「………。」
スマホを見て悩む様子のコタくんは私の言葉にごくりと喉を鳴らす。そうしてコタくんは天の方を見れば天は静かに頷く。
炬「…わかったよ。」
まただ。コタくんの心を動かすのはいつも天。私だって…私だってコタくんに幸せになってほしいのに。
面白くなくて真っ暗なセーターに出来た毛玉をむしって庭に投げてやる。
怯えたようにもしもし、と電話に出るコタくん。さっきはごめんと謝っている。
元カノさんの声は何も聞こえない。ずっとコタくんは黙っている。
天「よいしょ…」
「え、何やってんの。」
天「しーっ！」
コタくんの横に徐に寝転がった天は人差し指を口に当て静かにしろと言ってくる。本当なんなのよ。
少しして電話を切ったコタくん。振り返って天を見る。じっと。
「っ？！」
炬「……。」
顔をこちらに向けたコタくんは何かを決心したようで外へ駆け出す。…がんばれコタくん。
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はんぺん(プロフ) - えりさん» ありがとうございます！嫌な予感がして更新止めてたのですが大的中で元ネコが現れ(次週)どうしようかと…どうにかがんばります！ (2023年2月28日 7時) (
レス) @page17 id: 51fb906a7a (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - すごく大好きな作品です！！無理のない作者様のペースで頑張ってください！ (2023年2月21日 1時) (レス) id: 0680202c8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はんぺん | 作成日時：2023年1月24日 12時
