虎と兎8「勧誘」 ページ10
〜Aside〜
沈黙
そう言うしかないほど、探偵社は静寂に包まれた
まるで誰もいないかのように
ちらりと目線だけを動かし、社員の方々を眺める
一言で表すなら″驚愕″。だけど彼らの表情は、驚愕以外にも様々で、
″こんな歳の少女が…″と云いたげな程驚く人もいれば、細やかな恐怖を映した目の人もいる
ただ、砂色の外套の人、ハンチング帽子の人、それから和服の少女は、然程驚いた表情をしていない
すると、和服の少女が口を開いた
「……私は泉鏡花。齢は14。探偵社員」
いきなり自己紹介を始めた
その意図が全く読めず、ただ脳内に疑問符を浮かべる事しか出来ない
鏡花「………元ポートマフィア。6ヶ月で35人殺した」
泉さん……は、少し悲しそうにそう云った。マフィアだった過去が良いものではなかったのか、殺した事を悔やんでいるのか…それは彼女にしか分からないけれど、そんな表情をしてまで私にそれを伝えたかったのか、疑問だ
泉「でも私はマフィアを辞めて探偵社に入社した。光の世界を…教えてもらったから」
″この人に″と泉さんは中島さんの事を指差す
中島さんは突如指差されてあたふたしているが、泉さんは気にも留めず中島さんを指差したまま話続ける
鏡花「貴方も、この人に
貴方は人を殺した罪を犯したと云ったけど、それは私も同じ」
″だから……″と泉さんは私の目をじっと見て、力強く断言した
鏡花「私は、貴方の事を助けたい。貴方を、探偵社員にさせてあげたい」
え……
国木田「はああああ!?」
泉さんが落とした″爆弾発言″に、先程まで無人を疑われるほど静まり返っていた探偵社内が国木田さんを主として一気に騒がしくなる
国木田さんのでっかい声と泉さんの爆弾発言に、私は呆気にとられる
探偵社員の勧誘を受けるなんて思っても見なかった事だから……
すると″僕も僕も!″と、先刻のハート型の頬の痕の……髪色が素敵で、私と同じ目の色を持つ人が、手を挙げている
「僕も元連続殺人犯だけど探偵社員やッてるもン!僕もこのこの子を探偵社員にさせてあげたい!」
二人の発言から、騒がしくなった探偵社が、より一層騒がしくなる
かなり騒々しくなり、最早誰が何を話してるか分からない中、砂色の外套の男性に問われる
「さあ、灰谷Aちゃん。どうする?」
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果汁ジノ%(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです!新作の方も宜しくお願いしますね!( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ%さんの作品とても好きです!このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました!イラストも上手で尊敬します!これからも頑張って下さい!! (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ%さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね! (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果汁ジノ% | 作成日時:2018年9月8日 7時