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虎と兎6「過去」 ページ8

ここでは「」使用がないところも、語り手として語っている、と考えたください


〜Aside〜


先ず、私は異能の制御が出来ません



意図として異能を使うどころか、使った時の記憶すらありません



……まぁそういう人が少なからずいる、というのは理解しています



これは前提。問題はここからなんです



ニュースにもなりましたし、探偵社ですから、既に情報は入っていると思いますが……



巷で噂の【人狩り兎】



月の出る夜に現れ、所構わず人を惨殺する殺人鬼



冷徹な赤い瞳を持ち、兎の様に白い少女という情報から、所業に似合わぬ【ウサギ】という名前が付けられている



特徴的で、人目も気にせず人を殺めるが、暗闇の夜であり、然も小柄で素早く、覆面を付けているため、明確な人物特定は出来ないまま



もしかしたら懸賞金なんかも懸かったりしてるかもしれません



……今の話でお察しの方もいらっしゃるかもしれません



【人狩り兎】とは、私の事です



いえ、厳密には私の″異能″の事なのですが……



私の異能【兎の眼】は、私の知る限り、月の出る夜に″もう一人の私″を呼び出す能力です


よく分からなければ、二重人格の様なものだと思ってください



月が出ていない昼や新月の日は、今のような私なのですが


夜に月が出ると、私の知らないうちに″もう一人の私″が私の体を操り、人を殺め始めます



記憶がなくなっている為、最初は入れ替わっている途中、何をしてるのか全く分からない状況だったのですが……



ニュースで【人狩り兎】の事を知り、これが私の仕業だと分かったんです



全くいないわけではありませんが、兎のように白く、そして赤い瞳なんて早々いませんし



私の記憶がなくなる時間帯と、【人狩り兎】の出た時間帯が同じですから




それから、見ず知らずのうちに人を殺める恐怖から、私は家に閉じ籠っていたけど……



異能は嫌でも発動してしまい……



手足を縛ったり、外に出られない様にしても、次の日には殺人が起こっている……



そんな日常に耐えられず、何度も死のうと考えたのですけど……躊躇ってしまい、自 殺は出来なくて……



なのでいっそ、殺してくれればと思ったんです



義理の兄が、″探偵社は何でも解決してくれる凄い処だ″と口にしているのを、数年前に耳にして……探偵社なら、と思ったんです


私は罪を犯した。だからこの世にいてはいけない



これが私……【人狩り兎】が探偵社に来るまでの話です

虎と兎7「人狩り兎」→←虎と兎5「心中」



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設定タグ:文スト , 中島敦   
作品ジャンル:恋愛
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果汁ジノ%(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです!新作の方も宜しくお願いしますね!( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ%さんの作品とても好きです!このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました!イラストも上手で尊敬します!これからも頑張って下さい!! (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ%さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね! (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:果汁ジノ% | 作成日時:2018年9月8日 7時

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