虎と兎３９「虎は嫌い」 ページ41
〜Aside〜
″予定外の事があって、かなり遅くなったけどね″と苦笑いするお兄ちゃんは、先程の可笑しなお兄ちゃんではなく、いつもの優しいお兄ちゃんだった
″予定外の事″＿＿
今言うべきか分からない。あれを言って、良くも悪くもどうにかなるとは思えない
私はただ黙って、お兄ちゃんの話を聞いていた。お兄ちゃんが何を思っているのか、私が知らないことは、知らなければいけないと思った
知らないままでいてはいけない。探偵社に来て、それを知ったから
お兄ちゃんは私の目を見て、目をかっと開いて″それだよ……″と呟いた
雀「それだよ！！何だよA…その″眼″は！」
いきなり叫び、怒りだした。何が気にくわなかったのか分からない。ちらり、と敦君を見ても、敦君も首を横に振っている
雀「それもだよ！！Aは前まで、理解できない、知らないことには酷く怯えて……怖いものは知りたくないって……僕にしがみついて僕を頼って……駄目な子だったんだ！欠陥した子だったんだ！！
弱くて脆くて、僕が……僕がAを守っていたのに！！なのに！何でそんな
お兄ちゃんは頭を抱えて″うあぁ…″と嗚咽した
雀「Aは頑張らなくて良い。成長しなくて良いんだ。僕を頼って依存して、誰にも触れなくていい……強くならなくていいんだよ……」
大声で怒った後は、弱々しく…脆く悲しい声でポツリポツリと言葉を紡いだ。それがとても哀れに見えて、手を差しのべたくなった
雀「敦君……君のせいだよ」
涙を溜めた瞳でキッと敦君を睨み付ける
雀「僕は知ってる……見てたんだから。まだ脆くて欠けてて駄目なAを敦君…君が探偵社に連れて行った。そして探偵社で、Aは強くなってしまった……もう弱くてかけたAはいない……
君が変えてしまったんだ！！」
お兄ちゃんはポケットから出した折り畳み式ナイフを敦君に向け、敦君の方へ走り出した
A「お兄ちゃんやめて！！！」
敦「うわぁ！！」
敦君はいきなりの事で動揺していたけれど、間一髪で避けた。そして腕と脚が虎のように変身した
雀「……虎か……僕は虎は嫌いなんだ」
1度ゆっくり息を吐いた後、また走り出した
雀「だって兎は…虎に狩られない為に強くなってしまうからね！」
ナイフを振り上げたお兄ちゃんの後ろには
太宰「はいストップ」
太宰さんがいた
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果汁ジノ％(プロフ) - もちさん» ありがとうございます！べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです！新作の方も宜しくお願いしますね！( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (
レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ％さんの作品とても好きです！このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました！イラストも上手で尊敬します！これからも頑張って下さい！！ (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ％さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ％(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね！ (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：果汁ジノ％ | 作成日時：2018年9月8日 7時
