虎と兎29「自問自答」 ページ31
〜敦side〜
吃驚した。まさかAちゃんのお義兄さんが来ていたなんて………
ちら、とAちゃんの方へ目線を向ける
何、特に深い意味などない。ただ何もせず立っていると、誰かしらを見てしまうものなんだ。それが偶々Aちゃん、ってだけだ
与謝野さんは……あれだ。目が合ったら何を言われるかたまったもんじゃないから。ほら、与謝野さんのスイッチを押してしまって、解体沙汰にはなりたくないから
別に意識してるとか気になるとかそんなんじゃない。ホントに。うん
第一だ、本当に第一、万が一、もしも。その…気になってたとするなら、それは心配だ。能力の詳細とか体を操ってる人がいるとか、大変そうだからだ。うん
色々考え落ち着いた。そして僕自身に呆れた。僕は何をやっているんだ……頭の中で自問自答を繰り返すなんて
Aちゃんは疲れたのか、不安なのか、ため息を吐いている。ここは歳上の僕がビシッと気の利く一言を言うべきだ!うん!
敦「お疲れ様。お茶淹れようか?」
Aちゃんからの懇願の返事を聞き、お茶を淹れに行こうとしたところ、与謝野さんが代わりに淹れてくれる事になった
遠慮なくお願いすると、与謝野さんはニヤニヤしながら僕に近づいてきて、Aちゃんに聞こえないくらいの小声でこう言った
与謝野「妾が席を外してやるから、Aと二人で仲睦まじくしてな。なァに、″すぐ″戻ってくるさ」
敦「っ…!与謝野さん!!」
からかわれた後の人の様な反応しか出来ず、与謝野さんは誤解したまま別室へ行ってしまった。果たして彼女は本当にお茶を淹れて、すぐに帰ってくるのだろうか
きっと今の僕の顔は、真っ赤なんだろう。頬から伝わる熱で、そんな事容易に考えられる。この熱は照れているから来るものなのか、怒っているから来るものなのか……僕には分かりかねない
というか違うんだ。僕は別にAちゃんに特別意識を抱いてるとか、色恋沙汰に発展するような感情は抱いてないんだ
……多分
結果、Aちゃんに心配されちゃったし、声は裏返ったし、頼り概のある歳上男子になることは出来なかった
早くこの頬の熱を冷ましたくて、兎に角話題を変えようとした。僕はその題材として、親睦を深める提案をした。といっても、敬語を外して名前で呼んでほしい、という事だが。
承諾させる理由に、″歳の差も殆どない″と言っていたが、さっきまで歳の差をやけに気にしていたのに、という考えはしないでほしい
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果汁ジノ%(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです!新作の方も宜しくお願いしますね!( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ%さんの作品とても好きです!このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました!イラストも上手で尊敬します!これからも頑張って下さい!! (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ%さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね! (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果汁ジノ% | 作成日時:2018年9月8日 7時