孤児院の虎と箱庭の兎

虎と兎２４「幽霊体験？」 ページ26

気がつけば10000hit越えてました！まだ24話しか公開してないのに、感動です！

皆さん、いつも閲覧ありがとうございます！


〜Aside〜

気が付いたら、私は探偵社にいた


A「だっ、太宰さん！？」


何と目の前には、手を怪我した太宰さんと、太宰さんにナイフを翳した私がいた


私……また暴走しちゃったんだ


でも、何で今回は途中で目が覚めたんだろう。ていうか、何で私が二人もいるの？


色々疑問はあったけど、今はそれよりも、また人を傷つけてる私の体を止めないと……！


あぁでも、まずは太宰さん。傷を手当てしないと……


A「太宰さん、すみません。手、大丈夫ですか？」


話しかけるが、太宰さんからは応答がない


あれ……？


A「太宰さ……」


太宰さんの肩に手を置いた……と、思ったのだけど、私の手は太宰さんの肩をすりぬけ、そのままの勢いで地面に着いてしまった


触ることも出来ないの…？


よく考えたら、中島さんも与謝野さんも、私がいることに全く気付いてないようだし、ナイフを振り回してる私も、気付いていない


何だか……幽霊になったみたい……


どういうことなんだろう……。私はてっきり、もう一人の私……曰く別人格を呼び出す能力かと思ってた。けど、私が今こうして動いているということは、人格だけの問題じゃないっぽい。


私の体は今も尚ナイフを振り回し続けてるから、死んだ……訳じゃない。死ぬような出来事は起こらなかったし


なら、幽体離脱？でも、だったら私の体に入っているのは誰……？


考えても考えても答えが見つからない。そもそもこれは、私の異能によって起きたことなんだろうか？


私の異能の暴走を止めるために太宰さんがいるんだもの。何か手違いが起きたに違いない


太宰さんが私の能力を無効化出来なかった……？でも太宰さんは″例外はない″って云ってたし……


私があれこれ考えてる間に、探偵社はぐちゃぐちゃになっていく


私が振り回したナイフによって、書類やカーテンに切れ目が入ってる


花瓶に当たったのか、花瓶は床に落ちて割れている。生けられていた花は踏まれ、茎はポッキリと折れ、花弁はバラバラになっている


止めたいのに、私は何にも触れることが出来ない。暴れ続ける私の体を止めることは出来ない


A「お願い……誰か……助けて……！」


私の声が届いたのか、中島さんが此方を向いたけど、見えてないのか、前に向き直ってしまった


そして私は、意識を失った

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