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虎と兎23「″いつも″」 ページ25

〜敦side〜


A「……ん、ぅっ……」


Aちゃんが目を覚ました。良かった…!


太宰「やぁAちゃん。もう異能は解けてるかい?」


しゃがみこんで、座っているAちゃんと目線を合わせながら、太宰さんが話しかける


A「あ、はい……。もう、大丈夫です」


今はもういつもと同じAちゃん。けれど、表情は暗い


ていうか……″いつも″なんて云えるほど一緒にいたわけじゃないのに……


ずっと一緒にいたかのような、安心感というか……他の人とか違う何かを感じる


それが何かは……頭の良くない僕には分からない


A「……」


与謝野「何だか浮かない顔だね。暴走しちまったの、まだ気にしてるのかい?」


矢張浮かない顔をして俯くAちゃん。与謝野さんが問いかけるも、彼女は首を横に振る


A「それも……あるんですけど、いつも暴走した時と……ちょっと、違って……」


いつもと違う……?それはどういうことだろう。僕らがいたからそうなったのか……?


太宰「……実は、先程Aちゃんに触れたとき、異能無効化が効かなかった。もしかしたらそれに関連してるかもしれない。何があったか、聞かせてくれるかい?」


彼女は小さく頷いた


A「いつも暴走する時は、突然くらっとして、目が覚めたら朝になってるんです」


そういえば、最初に説明したときも、暴走した時の記憶は全くないって云ってたな……


A「でも、今回は違って。気が付いたら、目の前には手を怪我してる太宰さんと、太宰さんの近くでナイフを翳す……私がいたんです」


その言葉に、僕らは動揺、既視感(デジャヴ)、そして驚愕をさらけ出した


なぜ、彼女がその状況を見ていたのだろう。あの時は、動揺こそしていたものの、彼女がもう一人いたとしたら、僕らは確実に気が付くはずだ


そして既視感。太宰さんが手を切られた時……それは丁度、太宰さんが異能を使った時だ。彼女が見た光景を、僕も見ている


この二点を踏まえた上で、極端に言えば、僕らは非常に驚いていた


けれどそんな驚いてる僕らを気に留めず、彼女は話し続ける。けれどそれはいい判断だ。僕らに気を使って話が出来ないのは困る


A「何が起こっているのか分からず、誰も私に気付かなくて……誰かに触れようとしてもすり抜けてしまって、声も届かなくて……」


彼女に何が起きてるんだ……これは、まるで



A「まるで幽霊になったみたいだったんです……」

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設定タグ:文スト , 中島敦   
作品ジャンル:恋愛
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果汁ジノ%(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです!新作の方も宜しくお願いしますね!( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ%さんの作品とても好きです!このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました!イラストも上手で尊敬します!これからも頑張って下さい!! (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ%さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね! (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:果汁ジノ% | 作成日時:2018年9月8日 7時

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