虎と兎19「恋人達の帰宅」 ページ21
〜Aside〜
それから、社員の皆さんと楽しいお話をして……
国木田「む、もうこんな時間か」
皆が退社する時間になってしまった
太宰「さて、じゃあ私達以外は気をつけて帰ってくれ給えよ。夜はポートマフィアが活発に動き出すからね」
国木田さんは″気を付けろだと?今更だ″といって荷物を纏め、帰ろうとしていた
太宰「そうそう。夜にはお化けも出るからね♪」
国木田の方をゆっくりと向き、ニヤリと嗤う太宰さん
国木田さんはビクッと反応するも、″幽霊など存在せん!″と怒鳴る
………でも動きはカチコチ。お化け、怖いのかな
はや歩きで退社していった国木田さんを追いかけるように、治子さんが″まってー!″と走って出ていった
ドアの向こうでは、″社内は走るな!″と、小さく国木田さんのお説教が響いていた
与謝野「幽霊に怯える彼氏を追いかける彼女と、ビビりながらも彼女を送るために彼女を待つ彼氏………仲が良いもんだね」
そうなのかな、とは思っていたけど、やっぱり二人は恋人なんだな……
なんて考えながらボケッとしていると、″ようし!僕達も帰るね〜″と乱歩さんの和やかな声が響いた
ナオミ「国木田さんと治子さん、乱歩さんと圭さんはお付き合いされてるんですよ。でも!愛の大きさでしたら、私達も負けてませんわ!!」
″ね!兄様〜!″と谷崎さんの腕ををぎゅっと抱き締めながら、谷崎さん兄妹も帰っていった
圭「お疲れ様〜Aちゃん!また明日〜!」
A「え、あ、はい…!」
少し戸惑いながらも″お疲れ様でした…″と小さく云うことが出来た
乱歩さんと並んで帰る圭さんに、社内の社員さんは口々に別れの言葉を告げる中、いつも明るい太宰さんは、その時だけは何も云わなかった
ただ、切なそうに圭さん達が通った扉の向こうを眺めていた
与謝野「…あんたも未練がましい奴だね」
与謝野さんが太宰さんに小さく、そう呟いていた声は、私には聞こえなかった
それから残りの社員さんも次々と退社していき、社内にいるのは私と太宰さんと与謝野さん、そして中島さんだけになった
敦「じゃあ僕も……」
中島さんも帰ろうとしたとき、太宰さんがきょとんとした顔で中島さんを引き留めた
太宰「何帰ろうとしてるんだい、敦君?君にはまだやるべきことがあるだろう?」
敦「……え?」
現在の時刻、20時13分。月は雲に隠れて姿を表していない
月の光が差し出るまで、あと___
虎と兎20「三日月にウサギ」→←虎と兎18「社内の糖度は高めのようで」
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
果汁ジノ%(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです!新作の方も宜しくお願いしますね!( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ%さんの作品とても好きです!このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました!イラストも上手で尊敬します!これからも頑張って下さい!! (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ%さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね! (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:果汁ジノ% | 作成日時:2018年9月8日 7時