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虎と兎11「食と住の行方」 ページ13

〜Aside〜


その後皆が治子さんの提案に満場一致で賛成し、全員に自己紹介をしてもらった。


国木田「敦。灰谷はお前が引き取ってきたんだ。一通りの世話と詳しい聴取しておけよ」



依頼人だからという理由で最初は″灰谷さん″呼びだったけど、その呼び名に私が慣れないので、呼び捨てにしてもらうことにした



聞いた限り、泉さんと宮沢さん以外全員私よりも歳上だそうだし、余り畏まってもらうのも気が引ける



敦「はっ、はい。分かりました!Aちゃん、自宅の場所教えてもらえるかな」


″送るから″と云い、紙とペンを出した中島さんに、萌袖服の青年が″敦君、一寸待ッて″と声をかける


名前は確か……谷崎さん


セーラー服の……ナオミさんとご兄妹だとか



谷崎「さっきの彼女の話を聞くに、異能の制御が出来ないまま自宅に帰すのは危険じゃないかな?今まで鍵をかけていても駄目だったわけだし……」


敦「あ、そうか……」



確かに私がこのまま家に帰っても、ほぼ100%の確率で異能の制御が出来ないまま、また夜に暴走を始める


とはいえ、そうすると私には寝床と食事がなくなる


社員の方々も、矢張そこが問題の様で、話し合いの様なものを始めた


治子「でもそうすると、Aちゃんの食と住はどうするの?どこか空いてる処あったっけ?」



谷崎「僕の処もナオミとで一杯だし……」


敦「僕の処も鏡花ちゃんがいて、流石にこれ以上は狭いし……でももう社員寮に空きはないし……」



案を挙げてみても、どこも駄目なようで、皆頭を抱えている



………中島さん、泉さんと同居してるんだ…



確かに二人は歳も近いし、お互いの仲も良い。そういう男女の関係になってても可笑しくないのだけど……



A(なんか……やだ、な…)


すると、私の考えを悟ったかの様に、中島さんが此方に凄い勢いで振り向き、顔を赤くして叫んだ



中島「Aちゃん!ち、違うからね!?僕が鏡花ちゃんと一緒に住んでるっていうのに深い意味はなくて!付き合ってるとか、そんなんでもないから!!ほんとに!」


中島さんが心を読める……なんて事はないから、多分そう云い出したのは偶々なんだろうけど……


そこまで慌てた様子で弁解しても、余り説得力はない……寧ろ勘違いされるのでは?とも思った



多分彼の性格故に慌てた態度になってしまうのだろうから、素直に受け止めることにした


だけど……あの時何故″嫌だ″という考えが浮かんだのだろう……

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設定タグ:文スト , 中島敦   
作品ジャンル:恋愛
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果汁ジノ%(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!べた褒め……めちゃくちゃ嬉しいです!新作の方も宜しくお願いしますね!( ´ー`) (2019年2月12日 17時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
もち - 初コメ失礼します。果汁ジノ%さんの作品とても好きです!このシリーズ最初から読んでいて、物語の設定や進め方がとても素晴らしいと思いました!イラストも上手で尊敬します!これからも頑張って下さい!! (2019年2月12日 15時) (レス) id: 41bd20641c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 果汁ジノ%さん» (。・_・。)ノ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!黒の時代の話はすぐに終わると思うので、続編までの息休め程度に思っておいてくださいね! (2019年2月11日 19時) (レス) id: e1e76f0140 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 次の作品楽しみにしてます (2019年2月11日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:果汁ジノ% | 作成日時:2018年9月8日 7時

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