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腰にタオルを巻くように言われて、お風呂場に入った


「さてと、背中の流し合いでもしましょうか」
「良いね、それ。初めてする」


座るように言われて、座わらせてもらう


「熱かったら言ってくださいね」
「分かった」


シャワーの音がして、温かいお湯が体に少しずつかかった


「大丈夫ですか?」
「うん。丁度良い」


透くんは背中だけではなく、頭も洗ってくれて、頭を洗われるのが物凄く気持ち良い。シャワーで流し終えて、顔につく水を手で払った


「じゃあ、次は透くんね」
「お願いします」


透くんがやってくれたように、背中を洗う。その時にも、体格の差が分かってしまう。自分よりも背中が広くてたくましい感じがした


「Aくんは眼鏡は掛けないんですか?」


頭を洗ってあげているとそんな質問が飛んで来る


「眼鏡?」
「視力が低下、したんですよね?」
「まぁね。でも、眼鏡は慣れなくて」


母さんと一緒に眼鏡は探しに行ったのだが、結局、買わずじまいで、今も裸眼のままだった。全く見えないという訳でも無いし、生活には問題が無いから放置していた


「今度、買いに行きましょう」
「透くんと一緒に?」
「はい。嫌ですか?」
「ううん。透くんが一緒なら決まりそう。流すよー」


シャワーを出して、泡を洗い流した


「終わり」
「湯船には入りますか?」
「入って話そうよ」


向い合わせで湯船に浸かったのだが、俺のサイズは普通の小学生よりも大きいからなのか、少し狭く感じた


「傷痕は残っているんですね」
「・・・残ってる。太もものも残ってる」


俺の左肩を見た透くんに傷痕を見せないように隠すように手で覆って答えた


「すみません。僕が傍にいられたら良かったのに」
「人には出来る事と出来ない事があるんだから仕方ない・・・、と、透くん?」


言葉の途中でこちらに近付いて来た透くん


「本当に、Aくんは優しい人ですね。僕とは大違い」
「と、透くんも優しいよ?」


凄く近い距離で頬に触れて来る透くんに言った


「いいえ、僕は酷い男です」
「どうして・・・?」
「こんな事をしたら、Aくんが困るのに僕はそれをしようとしてる」
「なに、ん・・・」


自分が今、何をされているのかが、分からなかった。目の前には透くんの顔があって、唇には柔らかい感触が当たっていた


「ととと、透くん!!?何やって・・・ッ」


透くんの事を突き飛ばして、問い掛けた


「小学生でも、分かるでしょう?」


そう言って笑った透くんに、自分の顔が熱くなって行くのが分かった


「先出るね!!」


透くんから逃げるように湯船から出た

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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時

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