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「さて、話に入るのですが・・・」
「うん、分かった。ハロ、大人しくしててね」


脚に乗せたハロの頭を撫でながら言うと、ハロはお利口さんでちゃんと返事をしてくれた


「透くんの話ってなに?」
「・・・その、沖矢さんとAくんのお父さんから聞いたのですが、Aくんは小学生という事で良いですか?」
「うん、そうだよ。あれ?知らなかったっけ?」


問い掛けると透くんは頷いた


「あ、えっ、あ、ご、ごめん!!隠してたつもりは無くて、透くんは知ってるんだとばかり思ってて・・・っ」
「い、いえっ、僕の方こそ、危ない目に遭わせたり、酷い事を言ったりして、すみませんでした・・・」


慌てて謝ると透くんも謝った


「ううん、大丈夫。結果的に良かったから」
「結果的に?」
「そう。俺は透くんと仲良くなれた事が嬉しい。あれが無かったら俺達、こんな風にお喋りしてないかもしれないじゃん?」


一度は会えなくなってしまったけれど、最後には仲良くなれた。それが嬉しかった。そして、こうやってハロにも会えたし


「透くんは考え過ぎだよ。俺はそこまで考えて無いから大丈夫!!」


前にも似たような事を言ったような気がするけど、そういう事をちゃんと伝えておいた方が良いだろう


「Aくん・・・」
「そうだ、また相談に乗ってよ。俺だけじゃ答えが出せなくて」
「・・・僕なんかで良ければ、何でも相談に乗りますよ」
「透くんだから頼むんだってば」


そう言い、透くんに入院中にも話した事を、もう一度、相談した


「うーん・・・戦う以外に、ですよね・・・」
「やっぱり透くんは警察じゃなくて、探偵だから分からないよね」
「・・・そう、ですね」
「透くん?」


何だか返事に元気が無い透くんが気になって、顔を覗き込んだ


「僕は、」
「うん」
「・・・いえ、何でもありません」
「なんだよー。気になる」
「それはまた今度」


結局、透くんは教えてくれなかったけど、また今度、教えてくれるそうなので、その今度が来るまで待つ事にした


「戦う以外にいくつかありますが、それは少し違うような気もしますね・・・」
「え、なになに?」
「誰かのお婿さんになるとか」
「えっ」


笑って答えた透くんの顔を驚いて見詰めた


「この世界の人は何かしら支えています。それが微弱だとしても」
「うん」
「だから、そういう人を支えてあげる立場になってみてはどうでしょう?」
「うーん?」


透くんの言葉がよく分からなくて首を傾げた


「まだ分かりませんよね。すみません、忘れてください」


口元を緩めたまま、透くんが謝った

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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時

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