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「哀ちゃん、来てくれたー」
「貴方だけじゃ不安だもの」
「ツライ」
約束をした日、哀ちゃんはちゃんと来てくれて、少年探偵団の皆も一緒に来てくれている。江戸川もいるし、昴くんもいる。楽しい日になりそうだ
「お前らぁ、あんまりはしゃいでると転けるぞーっと、」
言い掛けている瞬間に既に転び掛けている歩美ちゃんが目に入り、反射的に腕を引っ張った
「大丈夫か?」
「ありがとう!!華澄くん!!」
「どういたしまして。ほら、お前らもテントの準備始めるぞー」
今日は皆でキャンプに来ていた
阿笠博士も誘ったのだが、外せない用事があるとかで、大人は昴くんだけになっていた。哀ちゃんもいるし、大丈夫だろうとは思うけど
「円谷はこっち持ってくれ」
「分かりました」
テントを張り、自由時間を設けているので、晩御飯の準備までの時間は皆はキャンプ場を色々散策しに行っていた
「哀ちゃんは行かないの?」
皆が出て行った中、哀ちゃんだけはテントに残っていた。昴くんは俺がここに残ると言ったら探偵団の方について行った
「江戸川くんと昴さんがいるなら大丈夫でしょ。それに、それを言うなら貴方もだと思うけど?」
「俺は哀ちゃんと一緒にいる」
「あら、どうして?」
「だって、一人だったら暇じゃない?それに誰かが傍にいた方が安心すると思う」
哀ちゃんにそう言っ笑えば、興味無さげに、そう、と返された
「哀ちゃんは一人の方が好き?」
「集中したい時はね」
「分かる気がする。俺も一人でボーッとしてるの好きだし。でも、誰かと一緒にいる方が安心するし、楽しいから、出来るだけそうしてる」
結局のところ、俺は一人の方が多いけれど、透くんや昴くん、哀ちゃんに江戸川、少しでも友達がいるから何とかなっている
「貴方は寂しがり屋なのね」
「そうかもしれない。親しい人が俺と同じ目に遭って、もしいなくなったら、泣く自信がある」
「貴方と同じ?」
そう言えば、哀ちゃんは知らないのか。それを思い出したので、哀ちゃんに、学校での事、江戸川と行った大きな屋敷の事、今まであった事を軽く説明した
「貴方も大変ね。まぁその身長なら仕方無いとは思うけど。姉も同じような境遇の人と友達だったみたいよ」
「哀ちゃんってお姉さんがいるんだ!!初めて知った」
「いるんじゃなくて、いたの」
哀ちゃんはお姉さんの事について少しだけ話してくれた
心優しいお姉さんがいた事、お姉さんは恋人だった男に利用された後に命を落としてしまった事、江戸川がその現場にいた事を教えてくれた
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時