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「どうやったら、仲直りすると思う?」
「いや、俺に訊かれても・・・」
「だって、江戸川も二人の友達なんだろ?」
一緒に考えようぜ、と言うと江戸川は困ったように笑う
「あの二人、別の喧嘩をしている訳でも無いからさ」
「そうなの?」
「うん。ちょっと複雑な仲って言うか・・・、」
江戸川曰く、以前、昴くんが話してくれた透くんとの出来事以来、殺伐としているらしい
「うーん?ちょっと分からん」
正直な感想だった
あれは透くんの勘違いで、解決済みだと聞いている。それをいつまでも引き摺っているという事になる
「解決済みの事じゃないのか?」
「そのはずなんだけど、安室さんが、まだ何か引っ掛かる事があるみたいで、昴さんの事を調べてるらしい」
「ふーん・・・。透くんが・・・」
何が引っ掛かっているのかが分からない為、何かを言える訳でも無い。昴くんの何が気になるのだろうか
「江戸川は分かる?」
「俺には分からないよ。というより、ずっと気になってたんだけど、その右目はどうしたの?」
「ちょっと色々あって、怪我した」
「そうなんだ」
色々と言って、細かい事を話さなかったが、江戸川は深く訊いて来なかった。訊かれても答えるかどうかは分からないけど
「今日は安室さんに会いに行かないの?」
「どうしようかなーって。あの二人が喧嘩してないのは分かったし、二人が仲良くなれるように何か考えてから会いたい」
「そっか」
まぁそんな願いも叶わず、江戸川と別れて、階段を下りた先でポアロ前を掃除していた透くんに出会ってしまった
「こんにちは、Aくん」
「こんにちは、透くん」
掃除をしている事だし、そーっと通り抜けようと思ったけれど、声を掛けられてしまったので、返事をした
「今日は寄って行かないんですか?」
「今日は江戸川に相談事があっただけだから。昨日はごめんね」
「いえ、僕の方こそ。またどこかに行きましょうね。二人で」
最後の部分を強調して言った透くん
「やっぱり昴くんとは仲良くなれない?」
「・・・なれそうにありません」
「そっか・・・。じゃあ、諦める」
「え・・・」
そう言うと透くんは驚いたような声を漏らした
「俺、うざがられても、嫌われても良いから二人に仲直りしてほしかったんだけど、そんなんじゃ無いって知ったから」
「そうでしたか」
「変な事して、ごめん」
謝ると透くんは首を横に振った
「僕達の事を思ってしてくれた事なんですよね」
「そうだけど・・・」
迷惑だった事には代わりは無いだろうし、距離を置かれても仕方無いと思っていた
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時