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｢･･･俺達も、これまでだ。兄貴を裏切るんじゃねぇぞ｣
｢はい。彼の事は大切にします。今まで、ありがとうございました。貴方もお大事になさってください。友人達にも、よろしくお願いします｣
彼とは、これまでの関係になる。そうは言っても、Aが兄と会う事を望むと思うので、それだけは承諾してもらった。自分も会う場合があるのも渋々ながらに頷いてもらった
数週間の入院を経て、彼、
僕の忙しい日に、二人は会っていて、たまに自宅に帰ると二人がいる事もあった
｢それにしても、記憶があるんですね。僕にはありませんでしたが｣
自宅に来ていた彼に言う
Aはあぐらをかいて座る彼に抱き付く形で眠りについていた
｢この時間を作ったのは俺だからな。まさか、思い出すとは思わなかったが｣
｢そうですね。･･･少しだけ良いですか？｣
｢兄貴を裏切るのか？｣
｢そういう、訳では･･･｣
僕には、Aを想う気持ちの他に、草葉さんを想う気持ちがあった。いつものように彼に一蹴されて、引き下がる
｢どうなるか、分かってるよな？｣
｢･･･はい｣
頷いて返し、眠るAに視線を移した
｢ん、ぅうん･･･お、に、ちゃん･･･？｣
頭を撫でるとAは目を覚まし、草葉さんを呼んだ
｢えへへ･･･、好き、だよ･･･｣
｢ああ、俺も兄弟として好きだよ｣
彼自身も、Aとは一線を置いている。あれほどまでに好きだと言っていた自分の兄に対して、一歩後ろを歩いていた
Aはそれを好ましく思っていなかった。それは本人から聞いていて、確かな事だった
寝ぼけていたにも関わらず、彼からの返事で、彼を強く抱き締めているAを見れば、何よりも明らかなはずなのに、草葉さんは気付かないフリをしていた
｢草葉さん、今日は晩御飯、食べて行きますか？｣
｢いら、｣
｢食べようよ!!零くんの手料理!!｣
断ろうとした彼だったが、Aに遮られて仕方なく、食べて帰る事を選んだ。Aは話を続けていたけれど、彼は頷いて聞いているだけだった
｢それじゃ、またな｣
｢うん、またね｣
部屋の前で彼と別れて、それを見送るAを見る
｢･･･零くん、俺ね、｣
｢知ってるよ。･･･僕も同じだから、ごめんな｣
｢ううんっ、俺もごめんね｣
僕達は、それぞれ彼の事を想っていた
いつか、彼が諦めて、平和な交際が出来る事を待ち望んだ
―
お わ り
終わり
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作者名：空白可能
| 作成日時：2023年3月27日 23時
