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彼と過ごした日々や彼とのやり取り。そして、この世界を望んだのが、僕だという事も、思い出してしまった
｢･･･お兄さんの名前はなんて言うんだ？｣
｢お兄ちゃんは、
彼の名前は、Aではなかった
それでは、あの頃に名乗っていた、
｢お兄さんがもう一度目覚めたら、沢山話そうな。だから、今はAも寝ておくんだ｣
｢そうする。零くんも寝るんだよ｣
｢分かってる。おやすみ｣
少々体勢は辛いがAを兄の眠るベッドを枕に寝かせて、改めて、彼の兄を見つめた。その顔は、僕の意識がなくなる前に話し合ってい人に間違いはなかった
つまり、意識がなくなる前に話していた彼の願いを叶えるピアスの話は本当だという事だ。彼の兄が生きていて、彼自身も生きている
推測になるが、過去の罪も消えているはずだ
｢･･･貴方は、これからどうするつもりですか？｣
彼に問い掛けた。ベッドに眠っていた彼は、目を開ける
｢さぁな｣
小さな声で、彼は答えた
そして、ベッドを枕にしているAに目を向け、頭を撫でた
｢･･･これがお前の望んだ世界だろ？｣
｢ええ。･･･僕の友人達は、｣
｢生きてるよ。でも、もう会えないだろうな。別々の道を歩む事になる。俺の兄貴と一緒に過ごすのならな｣
あの時のように、再会を果たす事は出来ない。だがそれも、今までを考慮すれば、当たり前の事だと言える。元々、生きている自体が奇跡とも言えるのだから、文句を言えるものでもない
｢お前に、兄貴を見捨てる選択肢はない｣
｢分かっています。貴方は幸せになれるんですね？｣
｢なれるよ。親父もいなくなって、晴れて自由の身になったんだからな｣
そう言って、彼は笑った
彼の住んでいた家には、彼の他に少々年配の男性がいた。その男性も刺傷があり、既に息を引き取っていた。その男性が彼の父親だったという事だ
｢あれは、誰が？犯人は見ましたか？｣
｢
｢･･･なるほど｣
そのままの性格で、彼が引き起こした事件も事実として残った為、彼の家が望仙 明光の強盗殺人の現場となった
｢望仙 明光として、父親を？｣
｢アイツは死んで当然だからな｣
｢･･･そうですか｣
死んで当然の人なんて、いてはいけないのに、否定の言葉が出て来なかった
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作者名：空白可能
| 作成日時：2023年3月27日 23時
