41 ページ41
｢コンタクトレンズ･･･｣
｢その通り｣
彼の指にあったのは、色のついたコンタクトレンズだった。かなりの近さで彼を見ていたのに、コンタクトレンズをしていた事に気が付かなかった
そして、彼の両目は左右で色が違っていた
｢･･･青色の目をしているんですね｣
コンタクトレンズを外した彼の目は、青色の目になっていた
｢皮肉なものだろ？お前と同じなんて｣
｢いえ、綺麗ですよ｣
｢それはどうも｣
割りと本気で言ったつもりだったが、軽く流されてしまった
｢もう片方も外しては？｣
｢左目はしてねぇけど｣
｢えっ｣
片方だけコンタクトレンズをしているのも、目に悪いと思って言ったのだが、もう片方はしていないと言われる
｢オッドアイ、という事ですか？｣
｢そういう事だな。そのせいもあってか、俺は昔から異質扱いだ｣
｢･･･なるほど｣
僕よりも見た目は日本人であれど、目の色が左右で違うと浮いた存在になる。それは彼が、日本人の見た目をしているから、余計に浮いて見えるという事だ
｢それより気になる事があるのですが、｣
｢俺の目より気になる事なってあるか？｣
｢はい。貴方の年齢です。僕と同じで良いんですか？｣
｢いや、俺の方が五歳ぐらいは上だと思う。お前が一年の時に見かけたからな｣
同じ年齢だと思っていたから更に驚く。赤井よりも年上になる。それならば、僕達と学年を自由に合わせたり、会社を作ったり、色々な事にも辻褄は合う
｢どうやって、実在の人物を演じていたんですか？僕が調べた時、
｢杜若は俺の父親の名字。百々日は俺の母親の名字。離婚してて、俺には兄貴がいた。望仙は学生の頃にいた奴の戸籍を乗っ取った｣
｢戸籍を？｣
｢ああ。兄貴とソイツの戸籍をな。二人は俺が殺した｣
｢･･･そうですか｣
人を殺した事に対して、罪の意識を持っている様子もなく答えられた
それに戸籍を乗っ取っても、その家族は気付かなかったのかと疑問に思う。確かに、この人の変装の技術は怪盗キッド、大泥棒ルパンを彷彿とさせるが、家族であれば、微かな違和感もあったはずなのに
｢どうして、望仙さんとお兄さんを？｣
｢俺が成り代わる前の望仙は、誰からも嫌われた存在だった。両親には暴力を振るって暴言も日常的にあった｣
問い掛けた事に、彼は昔を思い出すように話を始めた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空白可能
| 作成日時：2023年3月27日 23時
