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そこから、二人の行為が何度も続き、Aはその間にも洗脳を受け続けた
行為の影響で疲れ果てているAの体に、心電図の機械が取り付けられていた。隣にある心電図モニターの波形は弱々しいものだった
『いち、もちさ、』
『大丈夫。ちょっとチクッとするだけだ』
Aの後ろに立った壱望 明光は彼にキスをしながら、僕に見せつけるように首に注射器を刺した。中に入っている液体がAの中に流し込まれていき、心電図にも異変が生じる
それでも、二人は重ねられた唇を離さなかった
その数十秒後、心電図のモニターから、ピー、という無機質な音が鳴り響いた
Aが死んだのだ
『
Aから離れた壱望 明光の言葉と共に映像は終わった
Aは既にこの世にはいなかった
少なくとも、この部屋からいなくなった十四日後には既に、この世にはいなくて、救いようがなかった
｢それで？何しに来た？まだ俺に何か用か？｣
映像を見終わった次の日、壱望 明光の取り調べをする。それに呆れた顔で訊かれる
｢彼はどこですか？｣
｢アイツは死んだよ。それ以上に何がある？｣
｢･･･彼の遺体です。彼の遺体はどこにありますか？｣
｢どこだろうな。無縁墓地にでも埋まってんじゃんない？｣
適当な回答をされる。だが、無縁墓地に納骨、埋葬されていてもおかしくはない。そもそも、墓に入れられているのかも、懐疑的なものだった
｢死んだ奴の事なんて忘れたら？｣
考えに沈んでいると壱望 明光が短く言った
｢はい？｣
｢死んだ奴は何をやっても生き返らない。神様なんて、この世にいないんだからな。忘れはしなくとも、諦めたら？お前には、他にもいるだろ｣
｢･･･どうして、そんな事を僕に？｣
｢うざいから。もう俺は何も話さない。話したところで、俺の罪は消えないし、刑期も軽くもならない。アイツが死んでるって事だけ分かったら良いだろ｣
それ以降、本当に壱望 明光は話さなくなった。黙秘を貫き、無意味な時間が流れていった。何度も壱望 明光を訪ねて、話を聞こうと思ったが、何も話さなかった
魂が抜けたのかと思うほどに、壱望 明光は呆然自失になっていた
友人達にも、Aの遺体を探すのを手伝ってもらっていたが、全くと言って良いほど、あまり情報が手に入らなかった
もう、Aには会えないのだろうか
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作者名：空白可能
| 作成日時：2023年3月27日 23時
