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｢という訳で、彼はどこですか？｣
｢俺が提示した要求は？｣
｢上に掛け合っていますが、そう上手くはいきませんよ｣
提示された減刑は、難しいものだった
言われている通り、
｢まぁ、もう良いか。俺の携帯って、まだ残ってる？｣
暫しの沈黙の後、壱望 明光が訊いて来る
｢残ってますよ｣
｢それ、持って来て｣
｢今ですか？｣
｢俺はいつでも？お前の愛しい愛しい恋人の発見が先送りになっても良いならな｣
そう言われてしまえば、携帯を持って来るしかなかった。適当な理由をつけて、壱望 明光が所持していた携帯を取調室に持って来た
｢これが何か？｣
｢その携帯、中にSDカードが入ってるんだよ｣
｢中に？何もありませんでしたが･･･｣
この携帯は、それ以上の記憶媒体という感じはなかった。科捜研が念入りに調べたはずなので、それは間違いない
｢携帯の中だよ。つまり、その端末を壊さないと出て来ない。中を透視しても、機械の一部としてしか見えないから、見つけるのは不可能だろうな｣
｢･･･なるほど｣
｢俺が見ててやるから、お前が分解しろ｣
｢分かりました。少々お待ちください｣
分解に必要な道具を風見に取りに行かせて、自分は携帯の外側を調べた。見れば見るほど、普通の端末だ
数分後、風見に手渡された道具を手に持ち、端末を分解する事となった。松田にやらせたいが、物事は急を要する
｢中が見えるまで分解してみろ｣
壱望 明光に指示に従って、携帯を分解していく。液晶の部分を外し、中身が見えた
｢右上に四角い部品があるだろ？その中だ。開け方は見ての通り、精密のプラス四つ｣
｢特定のパソコン以外で閲覧すると、データが壊れたりしませんよね？｣
｢そんなもん使ってねぇよ。見つけられた時点で終わりだよ｣
自分の手元から離れて、記憶媒体に勘づかれた時点で負けという考え方なので、ウイルスなどは仕込んでいないらしい
｢見るなら一人で見ろよ。あられもない恋人を大勢に見られたいのなら、止めはしないけど｣
人を小馬鹿にしたような言い方に腹が立つが、ここはこの人の言う事を聞いた方が良い。取り調べを終わらせて、Aの家でパソコンを起動して、取り出したSDカードの内容を確認する
そこには、組織の情報や組織と政治家の取引現場の写真、映像までもが入っていた。そして、その中の一つに、
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作者名：空白可能
| 作成日時：2023年3月27日 23時
