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「で、何で貴方までいるんですか」
「それはこちらのセリフだ、降谷くん」
指定された会社のビルに行くと、何故か赤井がいた
「僕はここの取締役に呼ばれただけです」
「奇遇だな。俺もだ」
「貴方も?」
「ああ。ほら、これだ」
赤井は懐から紙を取り出した。それは自分も貰った招待状を見せられた
詳しく話を訊けば、同僚のジョディ捜査官から赤井宛の手紙を受け取ったらしく、そのジョディ捜査官は灰原 哀さんから貰い、その灰原さんは毛利 蘭さんから受け取った
「君は?」
「僕も似たような感じです。誰かを経由して僕達に辿り着いてますね」
「だな。答えは、この会社にあると信じよう」
「ええ、そうですね」
かくして、僕達は会社に仲良く入る事となった
「すみません。この招待状を頂いたのですが、代表取締役の方はいらっしゃいますか?」
受付で招待状を見せて対応をお願いする
「安室 透様と諸星 大様ですね。話は伺っております。只今、秘書が参りますので、そちらでお掛けになっていてください」
示された場所に大人しく座り、秘書という人を待った
「・・・赤井。警戒はしておいた方が良さそうだ」
「ああ。君だけならまだしも、俺の偽名まで知られているとなると・・・」
組織の連中が関わっている可能性がある
「お待たせしました。こちらにどうぞ」
「分かりました」
数分後、秘書がやって来て、代表取締役のもとまで案内をしてくれる。その後ろを警戒しながらついて行く。エレベーターに乗り、最上階に着く。その先には扉が一つだけあり、一室だけの構造になっていた
「ここから先は、お二人様でお願いします。今日は指定された人のみしか、入ってはいけない事になっていますので」
「え、」
「それでは」
秘書は軽く頭を下げ、エレベーターに乗って、帰って行った
赤井と顔を見合わせ、エレベーターとは逆の方向にある扉に視線を向けた
「行こうか」
「ええ」
扉に向かって歩き、目の前まで来る
軽く深呼吸をして、扉を叩いた。すると中から、どうぞ、とくぐもった声が聞こえ、赤井に視線を向けて頷き、扉に手をかけた
「失礼します」
扉を開け、中に入る。中は応接室のようにテーブルと向かい合ったソファ、その奥にいかにもお偉いさんが座るようなイスと机があった
イスは後ろを向いていて、座っている誰かは見えない
「本日は、ご招待ありがとうございます。我々に何かご用でしたでしょうか?」
後ろを向いている取締役の人に声を掛けた
「そんなにかしこまらなくて良いよ、降谷ちゃん」
そんな言葉と共にイスがこちらを向いた
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作者名:空白可能 | 作成日時:2023年3月27日 23時