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侵入した者はノックリストを盗み、逃走した
僕は上手く立ち回れない程に追い詰められていたが、赤井 秀一が手助けをしたお陰で、東都水族館に向かう事が出来た
ノックリストの事件は、無事とは言えないが、解決になった。重要参考人、事件の当事者であるキュラソーは亡くなってしまった
そのキュラソーと記憶喪失だった時に、共に行動をしていた
「あのさ、安室さん、望仙っていう大学生知らない?」
しまいには、コナンくんからも質問が飛んで来た。ポアロの常連である為に、コナンくんとも仲が良い。コナンくんも親しい人が突然、姿を消してしまって、心配になっているのだろう
「残念だけど、僕の近くでは見てないね」
「そっか・・・。大学も休んでるみたいでさ」
「なるほどね。FBIは何か知らないのかい?」
「ジョディさんとかにも訊いたけど、知らないって」
関わったFBIの全員に訊いたが、居場所は分からずじまいで、行方不明の届けを出そうかという話にもなっているらしい
「僕の方でも、調べてみるよ」
「ありがとう、安室さん」
話を終えてコナンくんはポアロを出て行った
コナンくんのあの様子は、本当に心配をしている雰囲気だった。コナンくんにはそれなりに世話になっているので、何かを返さないといけない
そう思って、探ろうと考えていたのだが、望仙さんはすぐに見つかった
ジンに用があって、ジンのいる部屋に向かっていると、あんあんと聴こえる誰かの甘ったるい声。それはジンの部屋から聞こえていて、どこかで聞いた事のある声だった
「ジン」
部屋の扉を叩き、声を掛ける
「なんだ」
二分ほど待って、やっと出て来たジンに問い掛けられる
「ベルモットが呼んでますよ」
「あ?・・・ッチ、バーボン、代わりに中の奴をいたぶっとけ」
「はい?」
あまり要領を得ない事を押し付けて、ジンは部屋を出て行った
仕方なく、部屋に入りながら扉を閉める。そして、奥にあるベッドに視線を移した。ベッドには誰かがいて、痙攣しているのか、小刻みに揺れていた。その近くまで歩き、ベッドを覗き込めば、それが誰かが分かった
「・・・望仙、さん・・・」
ベッドには、両手を後ろで拘束された乱れた姿の望仙さんが体を震わせていた
「あ・・・あむ、ろさ・・・?・・・たす、け・・・」
僕に助けを求める望仙さん
「・・・無理ですね」
助けを求めた望仙さんを切り捨て、ベッドに入って覆い被さった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2023年3月27日 23時