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隣で歩く組織の人間。コードネームはなく、あまりマークはしていないけれど、ジンとウォッカとの会話、これまでの事から、組織内でそれなりの地位と信用はあるという予想はつく
ヒロがいなくなった直後ぐらいから、この人は現れ始めた。恐らく、ヒロの代わりになるはずの人物。代わりになるほどだから警戒をするべきか、それとも二年も経っていながらコードネームを与えられていない事を含め、それほどの実力もない人物なのか
関わった事が少ない為、あまり予測がつかない
この人は、組織では
軽く洗ってみたものの、存在していなかった。隣を歩くこの人物と合致するデータは何一つとして、見つからなかった
｢壱望さん｣
｢何？｣
｢目的地は？｣
｢すぐそこだよ。電車ですぐのホテルに重役がいるから、ソイツのパソコンからアクセスする｣
適当に服を着て、日常に溶け込みながらも、物騒な話をしていた
｢それって、一人の方が動きやすいのでは？｣
｢いや？一人は見張り役だな｣
｢なるほど｣
｢まぁ別に一人でも出来るけど。二人の方が楽だなって思って、ウォッカを借りようとしてた｣
しかしながら、ジンとウォッカに断られて、丁度良く通った僕に声を掛けた。だが、この人の頼み方だと、僕の予定を分かっていたような口振りだった
｢バーボンってさ、恋人いる？｣
｢いませんが｣
｢ふーん｣
｢そういう貴方は？｣
｢いるけど｣
隠す事もなく答えられた
｢どんな人なんですか？｣
｢容姿端麗、頭脳明晰って人かな｣
｢ほぉー･･･｣
｢良いでしょ。俺の自慢の恋人なんだ｣
本当にそんな存在がいるかどうかも分からない。組織の人間が語る言葉なんて、信じない方が良い
｢見張り、よろしく｣
｢はい｣
ホテルに着き、すんなりと入り込んだ彼は、持っていたカードキーでホテルの一室に入って行った。それだけの行動で、彼の技術力が計り知れないと感じさせた
一切として、ホテルの従業員と話さず、自ら持っているカードキーを使って、易々とセキュリティの高そうな部屋に侵入していた
その部屋の前で待機していた。誰かが来たら、扉を叩けと言われていた
暫く待っていたが、人ひとり通らずに自分の隣にある扉が開いた
｢終わった｣
｢こちらも問題ありませんでしたよ｣
｢それなら良い。さっさと出るか｣
扉が閉まり、彼は来た道を引き返して行く。自分もその後ろを追いかけた
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作者名：空白可能
| 作成日時：2023年3月27日 23時
