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「それにしても、お友達がノックだったのなら、君も怪しいって事にならない?」
苦しくなった胸が息苦しくなった
「まぁ俺には関係無いけど。バーボンが誰で何をやろうと思っていても、シャンディに手を出さない限り、俺は何もしない」
「シャンディガフが一番なんですね」
「まぁな。アイツは俺の唯一の友人だからな」
そう言ったAさんの表情は今まで見た事が無いぐらいの、とても綺麗な笑みを浮かべていた。いつものボーッとした雰囲気ではなく、優しい雰囲気をまとった彼は別人のようだった
「一度、お目にかかりたいものですね。シャンディガフという方に」
「いつか会える」
「だと良いですけど」
彼と話していると心が少しだけ軽くなった
「Aさん。僕が望む結果を教えましょうか」
「言ってみて」
「僕はアイツの命を奪ったものを許せません。だから、命を奪ったものを憎み、自分の手で殺す事が出来れば何でも良いです」
促されたままに言う
「それは結果では無く、経過だね。結果が起きる道のりだ」
「だけど、僕はそれで良いんです」
「そう。君が望む結果はもっと違うものであるべきなのに、残念だ」
そう言っている割りに、彼は口元を緩めていて、何か良からぬ事を考えているような節があった
「逆に訊きますが、僕の望むべき結果というのは一体何なんですか?」
「それは教えられない。君が望まない限り、俺はその結果に導く事は出来ない」
「僕は、」
僕が望む結果なんて、なりうるはずが無い事だった。その結果に導く事が出来るのは、存在するかも分からない神様という非科学的なものだけだろう
「僕が望むものは、Aさんにも導けない事ですよ」
「君がそう思うのならそれで良い。俺には興味の無い事だから」
Aさんは来るもの拒まず、去るもの追わず、そんな感じだ
「さて、俺はそろそろ出勤の時間だから」
「出勤?」
「病院に行くんだよ。俺が診ないといけない患者が大勢いるものでね」
ウサギのぬいぐるみ以外、何も持たずに何を言っているのだろう、と思うのだが、事実である事は分かっている
「僕も行っても良いですか?」
「良いけど、邪魔しないでよ」
「しません」
釘を刺して来る彼に答えた
彼の勤めているという病院には一度、行ってみたいと思っていた。彼がどんな仕事をしているのかという、ただの好奇心だった
「バーボンは車?」
「そうですけど・・・」
「うーん。乗ってく?俺の車に」
「乗っても良いなら」
車二つで移動するのは面倒なのは分かるので、そう答えた
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年9月11日 0時