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「この間、言わなかった?俺はこの組織の為にいる訳じゃないって」
「では、何の為に?」
問い掛けるとAさんは悩んだように天井を見上げた
「シャンディの事は覚えてる?」
「はい」
僕の方に視線を戻して訊いた彼に頷いて返した
「俺はシャンディの為にここにいるんだよ」
「どういう関係なんですか?」
「バーボンとスコッチと同じような関係。年はかなり離れてるけどね」
僕とスコッチのような関係、幼馴染みという事だろうか
「前も思いましたが、僕とスコッチの関係をご存知なんですね」
「訊いたらスコッチが話してくれたけど?」
「なるほど。あまり情報は流さないように言っておきます」
スコッチは少し喋り過ぎなところがあるらしい。Aさんなら仕方ないような気もするけど、流石に個人的な事まで話したとなると注意はしておいた方が良い
「そうした方が良い。そういうのは利用されやすい。俺みたいな大人に」
「Aさんみたいな?」
「俺ってシャンディが大切だから、何でも利用するんだ。シャンディが望む結果を出す事は簡単だからね」
そう言って、Aさんは笑ったけれど、誰かが望んだ結果がそんなに簡単に出せるのだろうか?単純な疑問だった
「バーボンが望む結果も出せるよ?」
「僕の望む結果?」
「そう。別に俺はどうだって良いけど」
「僕自身がどういう結果を望んでいるのかが分からないので、何とも言えないですね」
結果的に言えば、この組織を潰したいだけなのだが、流石にそれを言えるはずもなく、彼に答えた
「確かに、どこでどう言った結果を望むかなんて、その状況にならないと分からないものか。まぁ多分、君が望む事はすぐに現れるだろうけど」
じゃあね、と彼は僕に背を向けて歩き出した
それを見送りながら考えた
僕が望む事がすぐに現れるとAさんは言った。彼は一体何を知っているのだろうか。そして、僕が望む事とは一体何なのだろうか
それは彼の言った通りのかは分からないが、望んでも手に入らない結果が生まれてしまった
同じく潜入していたスコッチが潜入捜査官だという事が明るみに出て、命を落としたのだ。僕が行った時には既に遅く、スコッチの心臓は動いていなかった
その場にはライがいた為、ライがスコッチの始末をつけた事になった
「バーボン?」
「スコッチが命を落としました」
何故だかは分からないけれど、僕はAさんに報告していた
「シャンディから聞いた。ノックだったんだってね」
「・・・はい」
「お友達だったのにね」
彼の言葉に胸の奥が苦しくなった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年9月11日 0時