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「息子として・・・?」
Aさんを見ると笑っただけだった
ヒロを息子として受け入れたとしたら、Aさんが父親になるが、この際、そんな事はどうでも良い
「Aさん・・・本当に何歳なんですか?」
少なくとも、四十の後半になる。全く、想像がつかなかった
「何歳だろうね。まぁシャンディの一回りは上だと思うよ」
「手続きの段階で年齢は確認しなかったんですか?」
「してない。手続きといえば、シャンディも俺の息子になるから、仲良くしろよ。景光くん」
「よろしくね。景光くん」
スターチスはそう言って笑った
屋上で赤井と対峙していた人物と同一人物には思えない程にスターチスは柔らかい笑みを浮かべていた
「よろしくな。えーっと、俺はなんて呼べば良い?」
スターチスというのは、Aさんとシャンディガフの共通の苗字の方であり、ヒロが入るのであれば、スターチスとは呼べない
「・・・それを考えて無かったな」
「スターチスの名前は?」
「アメールです」
「あれは、コードネームじゃなかったんですね」
赤井にあの世に行けばと言った時に言っていたのはコードネームでは無く、スターチスの名前だったらしい
「アメール・スターチス。日系アメリカ人です」
「じゃあ、Aさんも?」
「俺も日系アメリカ人」
訊くと少しも隠す様子も無く答えた
「これからは、アメールに統一するか」
「そうしようか。紛らわしいし」
アメールも色々な名前を持っていて紛らわしいと思っていたようで、これからはアメールに統一される事になった
自分もアメールと呼ぶようにと言われた
「それじゃ、行動開始するか」
「分かりました。アメールはどうするんですか?」
「もう一回寝ててもらう。それで、」
Aさんの計画は滞りなく進み、お葬式はひっそりと行われた。誰もいなく、アメールの代わりの人形は燃えて消えた。燃えた後の遺骨は偽物だが残っており、それをアメリカに帰る赤井に持たせた
赤井に少しだけ怒られた
何故、葬式があったのなら自分を呼ばなかったんだ、と
今までのお返しだ、とヒロの事を赤井に話せば、何も言わなかった
「アメールは後で追い掛けるんですね」
「はい。色々と手続きやらがありますから」
空港で飛行機を見詰めているアメールは視線を外さずに答えた
「同じ飛行機に乗りたそうに見えますよ」
「乗りたいですよ。でも、Aがここまでしてくれたのに、無駄にはしたくないです」
そう言ったアメールはこちらを見て弱く笑った
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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年9月11日 0時