可愛い担当の友人の話【男主】 (ページ17)

今日:8 hit、昨日:4 hit、合計:60,487 hit

１６ページ17

｢医者の観点からの意見を貰いたいのですが｣

ミステリートレインの一件から、赤井秀一の事について調べ回り、Aさんにも意見を求めようと思った

｢うーん･･･映像を見る限り、キールは頭を撃ち抜いていて、車にあった遺体にも同じものがあった。医者からすれば、十中八九同じ遺体だろうね｣

映像と調べた結果を見せて、意見を貰うと彼も、赤井秀一は死んだと判断した

｢シャンディから聞いたけど、指紋も一致したんでしょ？だとしたら、赤井秀一は死んだ、と判断するしかないかな｣
｢そう、ですか･･･｣
｢まぁ実際に俺がその遺体を見た訳じゃないから本当かどうかは分からないけどね｣

僕の気落ちが分かったのか、Aさんは笑って言った

｢では、赤井秀一は生きているという可能性はあるんですね？｣
｢俺個人の意見だと、そうなるかな｣
｢非常に参考になりました｣

ありがとうございました、と彼に頭を下げた

彼の意見で、幾分かの可能性が広がった

諦めず、しつこく調べた続けた結果。楠田陸道が遺体すり替えに使われたのだと考える事が出来、沖矢昴という人物が怪しいところまでに至った

しかし、沖矢昴の住む家に踏み込んだものの、同時刻に、沖矢昴と赤井秀一が別の場所に存在した事により、二人は別人だという結論が出てしまった

｢報告、ご苦労様｣

相変わらず作業をしているAさんに事の顛末を報告した

｢いちいち報告しなくても良いのに｣
｢･･･すみません｣
｢気になってたから大丈夫。赤井秀一は本当に死んでたのかぁ｣

謝るとそんな風に返って来た

｢気になっていた？｣
｢赤井秀一に興味が湧いてね｣
｢興味、というと･･･？｣
｢シャンディが赤井の事を気に入ったらしい｣

何気なしに言われた事に驚きを隠せなかった

｢赤井秀一を、ですか？｣
｢驚きだよね。俺も驚いた。何が良いんだか｣
｢さ、さぁ･･･｣

怒ったような口調で言われて、返答に困った

｢好みは人それぞれって事かな。シャンディ、落ち込んでたなぁ｣

イスの背凭れに頭を乗せた彼は独り言のように呟いた

｢･･･そうですか｣

流石に赤井秀一が生きているとは言えなかった

｢俺はバーボンの方が良いと思うけど｣
｢はい？｣
｢何でもない。さてと、俺も一仕事するかな｣
｢急患ですか？｣

勢いをつけて立ち上がった彼に問い掛けた

｢今回は医者とは関係無い仕事。途中までは、だけど｣
｢怪我人が出る予想でも？｣
｢あるな。バーボンは特に気を付けた方が良い｣

その時は意味が分からなかったが、すぐに分かる事になった