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「あ、コラ、ハロ!!」


僕の隣を駆けたハロを止めたが、カーディナルと同じようにベッドに飛び込んでしまう


「うはは、良いぞー」
「何が良いんですか、全く・・・」


ハロの事を寝転がった状態で片腕の中に収めた彼に呆れながらも近付いた。ベッドの端に座って彼の事を見下ろした


「ん、お前の手、冷たいな」
「そうですか?」
「でも、手が冷たい人は心が温かいと聞いた」
「・・・僕は温かい人間では無いですよ」
「そうか?僕は好きだぞ。僕に優しくしてくれるから」


そう言った彼は僕の事を見上げる。綺麗な琥珀色の瞳に自分の姿が映っていた。その瞳に誘われるように顔を近付けた

唇が触れそうになった瞬間、我に返った


「すみません。ちょっと外に出て来ます」


彼から離れて立ち上がり言った


「僕も行きたい」
「じゃあ、ハロも連れて行きましょうか」
「うん!!ハロ、おいで!!」


ベッドから下りた彼は寝室の扉を開けて出て行った。自分もその後を追い掛けて、玄関に向かった


「ちょっと待ってろ、ハロ」


玄関に着いていたカーディナルは、靴を履こうとしている。片手でやるには手間が掛かる作業と言えるだろう。それでも彼は僕に助けを求める事はなく、一人で靴を履こうとしていた


「Aくん、良ければ僕がしますよ」
「一人で出来る」
「分かりました。お隣、失礼しますね」


玄関ホールで座りながら靴を履いている彼の隣を失礼して、靴に足を入れて玄関に立った。片足で立ちながら、一つずつ靴を履いた。僕が履き終わる頃には彼も靴を履き終えていた


「リードが必要なのか?」


ハロにリードを付けようとすると彼が訊いて来る


「お利口さんですが、念の為。出会った頃に道路に飛び出してしまった事がありまして」
「なるほど。お前もヤンチャな奴だな」


隣にいるハロの頭を撫でて彼は立ち上がった


「持ちますか?」
「持つ!!ハロ、行くぞー!!」


リードを彼に渡して二人は歩き出した。その後ろをついて行こうと思ったのだが、家の前の道に出てすぐに彼がこちらを向いた


「お前も早く来い!!」


呼ばれて傍まで行く。隣に立つと彼は歩き始める。その姿を後ろから見ようと少し後ろを歩いただけで、彼は立ち止まってしまう


「どうしました?」
「隣」


短い返事。どうやら隣を歩けと言っているようだ。彼の隣に立てば、一瞬だけ僕の事を見上げて、再び歩き始めた。それに合わせて僕も歩いた


「どこに行くんだ?」
「コンビニでも」
「分かった!!」


近くのコンビニに向かい、彼はハロと共に外で待つ事を選らんだ

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年12月12日 0時

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