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逃げた幹部を追い掛けている最中にカーディナルと対峙する事になった


「カーディナル、退いてくれませんか。僕は貴方を傷付けたくありませんから」
「ふん、僕もそれは同じだ。だから、お前に選択肢をやる」
「選択肢?」
「ああ、簡単だ。僕を無視してここを通り抜けるか、」


言葉を区切った彼は着ていた上着をするりと脱いだ。上着の下にあったものが姿を現した。現れたものに僕は息を呑んだ


「この僕と心中するかだ。選択はお前次第だ、バーボン」


彼の小さな体に巻き付けられているのは、爆弾だと判断する事が出来た。だが、それは見た事もない形状をしていて、見ただけでは解除方法が分からない


「僕はジンとの約束を守らないといけないんだ。お前がノックだったせいで」
「それは・・・、すみません」
「謝罪なんて要らない。どうするんだ。僕を無視するか、心中するか」


今ここで悩んでいる暇は無い。一刻も早くジン達を追い掛けなければならない。そして、確実に捕らえる為にはカーディナルに人員を一人も割く事が出来ない。残るのであれば、僕では無いといけないが、僕が抜ければ大きな戦力減衰になる


「総員、カーディナルを無視して通り抜けろ」
「で、ですが、」
「行くぞ!!」


部下の言葉を遮り走り出した。近付いてもカーディナルが何かをする様子はなかった。そのまま横を通り過ぎて、彼の後ろにある扉に向かおうと思った


「・・・僕は、信じてたよ」


彼の横を通り過ぎた時、本当に小さな小さな彼の声が耳に入った。立ち止まりそうになったのを唇を噛んで我慢した

カーディナルの事を無視して、扉の奥に進んだ


「カーディナルはどうした?バーボン」


奥に進んだ先にいたジンが不気味に笑って問い掛ける


「・・・彼は置いて来ました。通り抜けても良いと言ってくれたので」
「アイツはテメェに甘い男だな。いつまで経っても」
「ええ、本当に。貴方も諦めたらどうですか?外はFBIとCIAが囲っていますよ。勿論、この地下から抜け出す為の出口も全てね」


地下に隠れていた幹部達をあぶり出して、外にいるFBIが捕まえる。そんな手筈を踏んでいるが、ジンはこれを予想していただろう


「テメェらに捕まるぐらいなら死んだ方がマシだ」
「でしょうね」


ジンは懐から取り出した銃を自分の頭に当てた。その引き金が引かれそうになった瞬間、ジンの持っていた銃が弾かれた。そして、肩と脚を撃ち抜かれ、ジンは膝をついた


「捕らえろ!!」
「はい!!」


銃を失ったジンを捕らえに走った。そこまでに僕達が行く前にジンは懐に再び手を入れた

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年12月12日 0時

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