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分かりました、とだけ返事を返して携帯の画面を消した。やり残した業務を済ませて、ここでの仕事を終わらせた
｢カーディナル｣
｢あ、バーボン｣
組織に行き、彼に声を掛ける。振り返った彼は案外普通だった
｢どうした？｣
｢いえ、昼間はすみませんでした｣
｢バーボンが謝る事じゃないだろ!!気にするな!!･･･暫くは行かないけど｣
｢カーディナルがそう言うのなら。またいつでも遊びに来てくださいね｣
彼との時間が減っている事は確かだったので、これ以上減ってしまうのも寂しいと思った
｢そう言えば、何か話し合いがあるみたいだから、お前も日程は空けとけよ!!｣
｢分かりました。何の話し合いですかね｣
｢さぁ？あ、でもジンの奴がノックリストがどうとか言ってたぞ｣
ノックリスト、その単語だけで肝が冷えた。それが奪われた瞬間、僕は追う者から追われる者に成り代わる
｢まだいんのかな。僕達の中にも、ノックリストに載ってる奴が｣
｢･･･可能性はありますね｣
自分の事を言えるはずもなく、曖昧な返ししか出来なかった。僕の正体を知った時、彼は僕をどう思うのだろうか。僕はそれを知る事がとても怖かった
｢僕はカーディナルの味方ですからね｣
｢勿論だ。僕もお前を信じてる｣
｢はい。ありがとうございます｣
そんな会話から数日、数週間、ノックリストの話し合いが重ねられた。僕はジンにノックだと疑われているので、あまり参加する事は出来なかったが、カーディナルから情報は貰っていた。その為、組織がノックリストを取りに来る時が分かっていた
結果的に言うと、ノックリストの漏洩は防げずじまいだった。そして、僕はキールと共に倉庫に捕らわれてしまった
｢カーディナル、どう思う？この二人がノックかどうか｣
｢愚問だな。どちらもノックじゃない｣
キールと僕を前にして、カーディナルとジンが話していた
｢キールはともかく、バーボンは僕の友達だぞ。ノックなはずがない｣
｢っは、お前はそう言うが、お前の友達とやらはいつもノックじゃねぇか。バーボンも可能性が高くなったなぁ？｣
｢ジン。それ以上、僕の友達を悪く言うのなら貴様と共に心中するぞ。今ここで｣
カーディナルはそう言って、薄い端末のようなものを取り出して、ゆらゆらと振って見せた
｢端末型で小型だが、ジンぐらいなら道連れに出来るぞ？やるか？｣
｢やめろ。冗談の通じない奴だ｣
｢それはお互い様だろ。冗談が嫌いなジンに言われたくない｣
軽い言い合いをしていたけれど、二人の仲は悪そうにも見えなかった
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年12月12日 0時
