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「確かに僕はアンバーだが、その質問に僕が答える必要はあるのか?」
その日、たまたまポアロに来ていた彼はココアを飲んでから、不機嫌そうに隣の席に座るコナンくんに訊いた
「えー、だって気になるからさ」
「口の聞き方を弁えろ。僕は子どもが嫌いなんだ」
「自分だって子どもなのに?」
「僕は二十九だ。嘘だと思うなら安室に訊け」
面倒臭そうに返す彼はカウンター席から飛び下りて立ち上がる
「安室、会計だ」
「分かりました」
さっさと会計を済ませて彼はポアロを出て行こうとした。だけど、彼の腕を沖矢 昴が掴んで引き止めた
「嘘は吐いていないんですよね?アンバーさん。・・・私は貴方を信じていない」
沖矢 昴がそう言った瞬間、カーディナルの目が僕が見た事が無いほどに鋭くなった。それは完全に敵対の意を示していて、彼は沖矢 昴を睨んでいた
「何も守れない貴様に信じてもらうつもりもない。手を放せ、凡愚。貴様なんぞと話したところで、天才である僕の時間の無駄だ」
言い捨てて彼は沖矢 昴の手を払い退けて、ポアロを出て行った
「・・・安室さん、あの人って」
「本当に二十九歳だよ。少なくともコナンくんよりは年上かな。後はFBIにでも訊いてみなよ」
「そ、そうするよ」
沖矢 昴を見ながら言えば、コナンくんは気まずそうに返事をした
「安室さん、彼とはどんな関係なんですか?」
「どうして貴方にそんな事を答えないといけないんですか?」
カーディナルの背中を見ていた沖矢 昴の質問に答えず訊き返した
「はぁ、アンバーは僕の友達ですよ」
溜め息を吐いて、仕方なく質問に答えた。沖矢 昴は驚いた様子を少しだけだ見せた。カーディナルとこの男は知り合いなのだろうか。カーディナルに掛けていた言葉もそうだが、彼自身が言っていた言葉も気になった
「そういう沖矢さんはどうなんですか?彼とはどういうご関係で?」
「私は、・・・友人の友人が彼だっただけですよ」
友人の友人、そんな偶然があるのだろうか。それにこの男はカーディナルを信じていないと言っていた。仲が良いという訳でも無さそうだ。二人のあの様子からしても、十分に分かる
「さてと、僕はそろそろ上がるけど、他に用事は?」
「今のところは無いよ!!またあったら来るね」
「分かった」
コナンくん達も去って行き、客のいない店内を見渡して、携帯を触る。携帯を見るとカーディナルからの連絡が届いていた。それを押して内容を確認した
『暫くは喫茶店に行かない』
短めのメッセージが来ていて、明らかに沖矢 昴を毛嫌いしているようだった
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年12月12日 0時