検索窓
今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:11,697 hit

31 ページ31

「アンバー」
「何だ、安室」


彼の新しい名前を呼べば、彼は嬉しそうに笑って返事をする


「他に注文はありますか?」
「何か美味いヤツ!!」
「じゃあ、サンドウィッチで良いですか?」
「良いぞ!!」


元気な返事を貰って、ハムサンドを作り始める。その様子を彼は何も話す事なく見ていた


「お待たせしました。ハムサンドです」
「おお、ハムサンド!!美味そうだな!!」
「どうぞ、召し上がってください」
「いただきます!!」


手を合わせた彼はハムサンドを手に取り、大きな口を開けて一口かぶり付いた。そしゃくを繰り返す彼は幸せそうに頬張っていて、それなりの評価を期待する事が出来た


「美味しいぞ!!」


そしゃくしていたものを呑み込んだ彼は笑顔で褒めてくれた。そして、もう一口と彼はハムサンドを口の中に放り込んでいった


「美味かった!!」
「それなら良かった。口元、付いてますよ」
「何が?」
「全く・・・」


キョトンとしてしまうカーディナルに呆れながらも、紙ナプキンでマヨネーズの付いた彼の口元を拭った


「ありがとう」
「どういたしまして。まだ何か食べますか?」
「今日は良いや。また来るから、その時にオススメのものを頼む」
「分かりました」
「それじゃ、今日は帰るな!!」


カーディナルはハムサンドとココア代を置いて、店を出て行った。それからというもの、彼はポアロにかなりの頻度で来るようになっていた


「今日は何にしますか?」


いつものようにカウンター席に座った彼に訊く


「今日は、ちょっと言いたい事があって来た」
「何でしょう?」
「彼女の身柄は僕が貰う事になってる。・・・もし生きて確保が出来るのであれば、だけど」


店内に客がいない事を見てから彼が告げた

シェリーの事の存在を確認した組織はミステリートレインに乗る事になっていた。その際、シェリーを生きて確保する事が僕の目的だ。組織がそれを許すとは思えないけれど、少なくともカーディナルは彼女を生かそうとしている。仲の良かった彼だからこその事だろう


「カーディナルは彼女をどうするつもりですか?」
「・・・僕は彼女を助けたいんだ。彼女は僕の友達の妹だから」
「そう、ですか・・・。分かりました。僕が必ず、貴方のもとに届けます」


そう言ったのに、僕は彼女を取り逃したばかりか、目の前で亡くなるのを見てしまった。それを彼に報告する事が怖かった


「・・・彼女は、亡くなりました。すみません。僕が不甲斐ないばかりに」


彼の自室に行き、彼に事の顛末を話して頭を下げた

32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
36人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 安室透
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空白可能 | 作成日時:2021年12月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。