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分からない言葉でも分かりやすく噛み砕いて説明してくれるので、割りと理解する事が出来た。彼が本当に天才であるという事も分かった。そして、カーディナルを敵にすれば、厄介な存在であるという事も
｢他に質問は？｣
｢今のところは無いです。それにしても沢山作っているんですね｣
｢僕は天才だからな!!｣
｢ええ、本当に｣
本当に彼だけは敵に回したくない。説得して彼だけは黒から引きずり出したい。白に戻る事は出来なくとも、汚れてしまっていたとしても、カーディナル自身が限りなく白に近付く事も、汚れをある程度の落とす事も出来るはずだ
彼がそれを望んでいなくても、僕がそれを望んでいた
｢カーディナル｣
｢ん？｣
｢また、食事に行きましょうね｣
｢当たり前だろ!!でも、約束だからな!!｣
笑った彼が小指を差し出した。その指に自分も小指を絡めた
僕達はいつものように食事に行く約束をした。その直後、僕は喫茶店にバイトとして入った為、仕事が重なり、カーディナルとの食事の約束は全く果たす事が出来ていなかった
｢いらっしゃいませ、って･･･貴方は、｣
｢僕が来てやったぞ!!えーと、安室!!｣
ポアロでいつものように接客をして、来店した人に声を掛けて姿を確認すると、そこにいたのはカーディナルだった
彼はカウンター席に座って、注文を取って戻って来た僕の事をじっと見ていた
｢安室？｣
｢何ですか？｣
｢･･･嫌だったか？僕が来るの｣
暫くして彼は泣きそうな顔をして訊いて来る
｢どうしてですか？｣
｢だって、安室何も喋んないから･･･｣
どうやら僕が彼と話をしなかった事で、彼に不安を与えてしまっていたようだ。しょぼくれている彼は注文したココアの入ったカップを両手に視線を落としていた
｢僕が来るのやだ？｣
こちらに視線を向けた彼はもう一度訊いた
｢･･･嫌では無いですよ。ただ、｣
｢ただ？｣
｢ただ、貴方の名前は表裏一体です。あまり外では気軽に呼べないでしょう？だから、呼び掛けにくくて｣
｢本当にそれだけか？｣
｢それだけですよ｣
彼が自らどこかに言う分には問題は無いが、僕から彼を呼ぶのは妙な違和感がある。それにカーディナルの名を日常生活で呼ぶにはリスクを伴う
｢それなら･･･、アンバーなんてどうだ？｣
｢何がですか？｣
｢僕の名前｣
｢変わらなくないですか？｣
｢僕は外国の人間だからな。別に普通じゃないか？｣
確かに彼は日本人では無い。そうであれば、アンバーというのも違和感は無い。周りの人間が彼を怪しもうとも
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年12月12日 0時
