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「着きました、けど・・・」
「何ですかね?あの人だかり」
鳥灯さんが言う通り、マンションの入口には、人だかりが出来ていた。そこには白と黒の見慣れた車も止まっている
「・・・何か、事故があったのかもしれません。急ぎましょう」
「は、はい!!」
彼を連れ、人だかりをかき分けて、マンションの前に来る。そこには見慣れた人がいた
「高木刑事!!」
「ん?ああ、安室さん!!」
「はい。何かあったんですか?僕に関係が無くても、このマンションに住んでいる彼、鳥灯さんならば、話を聞いても良いのでは?」
高木刑事に問い掛けると、驚いた様子だった
「貴方が鳥灯さんですか?」
「あ、はい。僕が鳥灯です。何かあったんですか?」
鳥灯さんが訊くと、高木刑事は彼をマンションの中に入るように促した。彼一人を行かせるのも不安なので、理由を付けて、自分もマンションの中に入れさせてもらった
「目暮警部!!」
「おお、高木くんか。何か分かったのかね?」
「いえ、そうではありませんが、鳥灯さんが戻られました」
「本当か!!」
「彼が鳥灯さんです」
高木刑事に紹介された彼は、困惑した様子で刑事達を見ていた
「貴方が鳥灯さんですね?」
「は、はい。何かあったんですか?」
「何かあったですって!!?白々しい!!アンタがやったんでしょ!!」
目暮警部が訊く前に、警部の後ろにいた女性が怒鳴った
「な、何をですか!!僕は何も、」
「うるさいわね!!アンタがここに引っ越して来てから、このマンションがおかしくなったんでしょ!!さっさと出て行きなさいよ!!」
女性に怒鳴られた鳥灯さんは、何も言い返す事はなく、黙り込んでしまう。それにしても、彼はここでも不遇を受けているらしい
「すぐには・・・、無理ですけど、早めに、出て行きます・・・」
絞り出した言葉を震える声で、鳥灯さんは言う。彼の表情はとても哀しげで、苦しそうだった
「っていうか、アンタが犯人じゃないの?」
「それは違います!!僕は、何も・・・っ」
彼はそう言ったけれど、このマンションには彼の味方は誰一人いない。この事件に関わりのある、マンションの住人全員が、彼の事を迷惑そうな顔で見ていた
「目暮警部。何時何分に何が起こったんですか?」
話が全く進まないので、目暮警部に状況の説明を頼んだ
どうやら、このマンションで殺人事件があり、その被害者の部屋が鳥灯さんの部屋の隣だと言う。そして、住人の証言から、鳥灯さんと被害者が口論をしていた、というものがあった
つまり、怨恨、私怨での殺人だと考えられていた
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年4月7日 0時