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｢さて、僕はもう帰りますかね｣
｢送りましょうか？途中まで｣
｢一人で大丈夫ですよ。また会いましょうね、安室さん｣
そう言って、鳥灯さんはその場を去って行こうとする。その腕を掴んで、引き止めた
｢安室さん？｣
｢一緒に帰りましょう。貴方に何かあっては、僕が嫌ですからね｣
｢安室さん･･･。お願いします｣
迷ったようだったけれど、彼は笑って応えてくれた
｢では、車の方まで行きましょうか｣
｢はい｣
彼の手を握り、駐車場に向かった
｢どうぞ｣
車の助手席のドアを開けて、鳥灯さんに座ってもらう。彼はお礼を言って、助手席に乗り込んだ。自分も運転席に乗り込み、エンジンを掛ける
｢出しますね｣
｢お願いします｣
車を出して、彼の住んでいるマンションに向かった。近々引っ越すという話だが、まだ引っ越し先が決まっていないらしい
｢今日はありがとうございました。安室さんが助けてくれなかったら、ちょっと危なかったです｣
｢怪我は無かったですか？｣
｢安室さんに庇ってもらったので、無事です。安室さんは平気でしたか？｣
｢勿論｣
今回の事件は、犯人が暴れた為に彼に被害が出そうになった。危ないところだったが、なんとか怪我を負わせる事なく、事件は収束した
｢安室さんには、迷惑ばかり掛けてますね。やっぱり僕の近くには、いない方が良いのでは？｣
｢そうはいきませんよ。貴方に愛されると決めましたから｣
彼は自分の事を死神だと言っているが、今日の事件はただの偶然だ。コナンくんと毛利先生が、あの場にいたのだから、何があってもおかしくはなかった
｢部屋まで送りますね｣
｢お手数で無ければ、お願いします｣
｢お手数では無いですよ。好きでやっているので｣
車を近場に置いて、鳥灯さんと共にマンションに向かう。マンションの入口に近付いた頃だった
目の前を何かが通り、地面から鈍い音が聞こえた。それは、酷く嫌な音だった。その音と一緒に何かが飛び散った
｢あ、ああ･･･っ｣
隣を歩いていた彼は、怯えた声を溢して後ずさり、尻餅をついた
｢嫌、嫌だ、僕のせいで、また、また･･･!!｣
｢落ち着いてください!!まずは、救急車に連絡を!!｣
｢は、はいっ｣
彼に救急車をお願いし、自分は警察に連絡をする。暫くして、救急車と警察が到着する。事情を説明して、捜査が始まった
マンションの屋上から、人が落下したのは、落下した人物が、自ら命を絶ったという結論になった。争った形跡はなく、遺書があったので、その可能性で間違いは無かった
しかし、少しの疑問はあった
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作者名：空白可能
| 作成日時：2021年4月7日 0時
